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【導入の決め手は、「カット編集のわかりやすさ」と「日本製品」であること】 − HDWS-3000導入のきっかけを教えてください。 スタジオ分室のあるSKIP CITYで働く人から「すごくいいですよ」という推薦をいただいたのがきっかけです。それで、こちらからカノープスにコンタクトを取りました。実は、HDWS-3000を導入する前には、簡単にオフライン編集ができるような他社製の編集機を使用していたのですが、トラブルが多発し、非常に不安定で、仕事で使うのは難しい状況だったのです。また、その前にも、ほかのビデオ編集ソフトを使っていたことがあるのですが、どうにも使い勝手が悪かったということもありました。そうしたときに、HDWS-3000の情報を耳にしたのです。営業の方には、こちらの質問に対して色々と詳しく教えていただきました。対応はとてもよかったですし、実際に機器を使ってみて非常に気に入りました。 − HDWS-3000の導入に踏み切った直接の理由は何でしょうか? 一番の動機は、「分かりやすい」ということです。アニメーションというのは、編集の前に撮影工程があるのですが、そこで合成などは全部やってしまいます。ですから、アニメ制作における実際の編集は、カット編集が大部分になります。HDWS-3000は、そこが非常に分かりやすく、安定感がありました。素材は定尺よりも1〜2分程度、長い状態で撮影から上がってくるので、そこをどう詰めていくかで作品の出来も左右されます。ですからカットつなぎが分かりやすい、やりやすい、ということはとても重要なのです。 − ほかには、HDWS-3000を選択した強い動機になったようなことはありますか?
− 導入を検討された期間というのは、長かったのですか? 結構長かったですね。デモ機を借りていたのは1週間ぐらいでした。デモ機を社内に置くことによって、実際にどの程度の作業効率の向上になるのか、どれくらい時間の融通が利くようになるのか、を検証しました。その結果、先に申し上げたようにHDWS-3000自体は非常に気に入り、すぐにでも導入したかったのですが、正直なところ、どれくらいのタイトル(作品)で実際にHDWS-3000を使うのか、などがまだ明確ではなかったために、実際の購入まで時間がかかってしまいました。 − 実際に導入してみて、編集ソフトウェアのEDIUSはすぐに馴染めましたか? 手塚プロではこれまで、ビデオ編集機を使いこなしていたわけではありませんので、その分、EDIUSには入りやすかった面があると思います。昔からバリバリと編集機を使いこなしていたのだとしたら、その使い慣れたソフトウェアをそのまま導入したかも知れません。デジタル編集はあまりやっていませんでしたので、純粋に、自分が一番扱いやすい、用途に合っているものを選ぶことができました。先入観なしに選べた、ということです。 − アニメの制作という作業面において、デジタル編集機が生み出すメリットは、どのあたりにあるとお考えですか? 最大のメリットは、外注工程をできるだけ少なくできるということに尽きます。アニメーションの作成という作業は、スケジュール的に非常に厳しく、夜中の2時、3時にいきなり、ここのカットを直さなくてはならない、といった状況がよく発生するのです。そのような緊急事態にも、社内で対応できる体制を作りたかったわけです。また、作成する作品の本数も増してきましたので、自社内で対応した方がコスト的にも有利だろうという思いもあります。
【様々なファイルフォーマットにも一括して対応】 昨今のアニメーション制作の現場は、どのような手順で行われているのでしょうか。具体的な手順やそこで発生するアニメ業界ならではの課題点などについても伺ってみました。 − 昨今のアニメーション制作のワークフローは、どのようになっているのですか?
− そうしたアニメの制作フローの中で、こちらの分室が担当されているのは、どのような仕事ですか? ここでやっているのは、オフライン編集です。実際のオンライン編集は、ポスプロさんに委託しています。とはいえ、ここで最終仕上げができないというわけではなくて、実際に、TVシリーズとか劇場用アニメ作品でないもの、たとえばWebなどで配信するようなものなどは、ここで完パケを作ってしまっています。 − 各所で作っている素材が様々なフォーマットで届いてくる、と聞いていますが? そうですね。実際に、弊社内には撮影部門はありませんので、その部分は外注になります。撮影工程というのは、背景とセルを合成するところですが、それを担当するのは撮影会社でして、そこから送られてくるものは、テープであったり、デジタルファイルであったりと様々です。デジタルファイルの場合には、制作者側に都合のよいファイルフォーマットというのがありまして、それが会社によってバラバラなのです。また、こちらでオフラインをしたものを、次の音響作業などの段階に出すときにも、納品先が求めるフォーマットは多種多様で、それらにも対応する必要があります。 − 具体的には、どのようなフォーマットのファイルが送られてくるのですか? 具体的には、QuickTimeとAVIが多く、その中でも様々なコーデックやサイズがあり、ということですね。それにプラスして、(1秒間のフレーム数が)24もあり、30もありという状況です。 − デジタルファイルの場合、どのような方法でやりとりをするのですか? これも、会社によって千差万別です。ハードディスクでの手渡しを希望される会社もあれば、全部インターネットで送ってしまうという会社もあります。だいたい、そのどちらかですね。 − なるほど。では、そのようにして送られてきた様々な状態のファイルを、全て取り込めるようにしているわけですね? そうです。こちらで行うオフライン編集では、送られてきた素材を一度、すべて読み込んで、一番扱いやすい状態に変換しています。主に使っているフォーマットはAVIで、コーデックはHQ Codecですね。 − HD作品は増えてきているのですか? HD作品は大幅に増えているわけではありませんが、SD納品でOKという番組は確実に減少しています。アニメーションの場合、当然パッケージ化も視野に入れて制作を行っています。それを考えますと、今、SDで作っておくというのは意味がありません。ただ、うちの現状としましては、機器を導入してからまだ半年ほどですので、今は試験的なところでHDは徐々にやっていこう、数を増やしていこうというレベルです。今ちょっと考えているHD作品は、HQ Codecでやろうかと思っています。
【作画時間を増やしてクオリティアップ 〜 演出家自身がシーンのカットをできるように】 手塚プロ様では、デジタル編集システムを導入したことで、様々なメリットが生まれてきているようです。そうしたメリットと、将来のプランなどについて、お伺いしてみましょう。 − システムの導入、構築などは、順調にいきましたか? とてもスムーズに進行しました。機器を選んで、それが実際に届いてからは、そんなに時間はかからなかったですね。使い方に関しては、外からちゃんと使えるポスプロの人に来ていただき、自社内の人間を育てるような形を取っています。 − 使っていくにあたり、苦労されたところはありますか? 苦労したのはやはり、先ほども話に出ました、撮影さんとの間でやり取りされるフォーマットの統一ですね。どれがベストなのかを調べていくのには、時間がかかりました。 − 実際にシステムを入れてみて、よかったと感じるところはどのあたりでしょう? やはり、EDIUSのカット編集の分かりやすさに尽きますね。ほかのソフトウェアに比べて圧倒的に切りやすい、というのが一番です。あと、素人でも分かりやすい、使いやすい編集ソフトウェアだと思います。今までは、それ専門のプロがやっていた編集作業を、演出家自身ができるようになりました。これは、どちらがいいのかという議論もあるかとは思いますが、実際のところ、今までのように編集専門家ではなくても、監督や演出家が自分でカット編集できるようになったことは革新的なフローであり、導入最大のメリットですね。 − その他の面ではいかがでしょうか? そのほかでは、HDWS-3000を導入したことで、外の会社に対して、多少の無理が言えるようになったということもあります。今までの場合、外注仕事において、オペレーターが「そんなことはできないよ」と言うと、こちらはもう手の施しようが無かったのですが、今は、こちらも編集がわかってきましたので、裏付けを持った形で「それはできるだろう」と実際にオペレーターに言えるようになりましたね。 − すでに、HDWS-3000を中心に、業務が回っているようですね? 現状の体制としてはもう、そういうスケジュールになっていますね。HDWS-3000を入れる前は、編集さんが困るから、画作りの時間を前倒しして納品しよう、ということもあったのですが、今では、目一杯画作りの時間を取ることができるようになりました。逆に言えば、画作りがギリギリまで粘れるようになりましたので、クオリティアップにつながっていると思います。 − デジタル編集機をネットワークでつないだシステムも出てきています。今後のプランとして、そうしたシステムに対する期待などはありますか? 長期で取りかかるような作品の場合、部分ごとに複数の端末で分業をして、それをサーバーでとりまとめて、といったワークフローを考えています。アニメーションの制作作業が実写ものと圧倒的に違うのは、差し替えが非常に多いということです。たとえば、撮影から上がってきたものが、編集の段階で必ずしも、色が付いているとは限らないのです。絵コンテをそのまま、撮ってきたような場合もあるのです。ですから、それらの差し替え作業が頻発します。そこで、まずは1台、メインのマシンがあって、そこでメインの編集をこなし、それ以外のマシンで差し替えができてしまえば、非常に効率的な作業になると思います。複数台の編集端末をネットワーク化するワークフローは、今後、視野に入れていきたいです。1年、2年先のことになるかとは思いますが、是非実現させたいですね。
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