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5つの編集室を新設し、K2 EDIUS Shareを導入

   
埼玉県にある独立UHF局のテレビ埼玉様は、「テレ玉」の愛称で知られ、地元の情報を魅力的な番組をとおして発信しています。Jリーグ、プロ野球や高校野球など、地元チームの試合を中継することも多く、情報番組や音楽番組も充実。キー局が視聴できる埼玉においても、欠かすことのできないチャンネルとなっています。
そのテレビ埼玉様では、編集システムとしてカノープスのネットワーク編集システム「K2 EDIUS Share」を導入し、2007年6月から本稼動を開始しました。HD化への動きや、K2 EDIUS Share導入の決め手などについてお話を伺いました。

技術局次長兼
技術局放送技術部長兼
技術局ICT推進室部長
河上利文氏


HD化と編集機選定開始までの流れを

デジタル放送は2005年12月から開始し、Jリーグ中継、特に浦和レッズと大宮アルディージャ戦はすべてHDで行ってきました。また、スタジオ生放送や収録番組においても2つのスタジオ(2スタ、Mスタ)からHD放送を行っています。また、2006年4月からワンセグ放送も開始しています。
デジタル放送開始直後から次のシステムを検討し始めました。ICT委員会を(各部から1名)月1回開催し、取材カメラ、ノンリニア編集システムについて1年間検討をしました。弊社は自社制作番組が40%近くありますので、ニュース番組、制作番組、地域情報番組、スポーツ番組などをすべて考慮した上で、効率の良い取材・編集システムのHD化が必要でした。
まず最初に取材カメラのHD化を検討開始し、ベータカムの取材カメラをHDCAMに、DVのカメラをHDVにすることにしました。HDVの採用に関しては、HVR-DR60がタイミングよく発売されたことも決め手の1つになりました。
これを踏まえて、いかにスピーディーな編集が可能か、いかにHD素材を各セクションで有効的に共有できるか、さらに、リニア編集からいかにスムーズに移行できるか、といったことを視野に入れて、HDのノンリニア編集の導入検討に着手しました。

平日夕方生放送の「ごごたま」の様子
また一方で、老朽化したSDのカメラとリニア編集機をどうするかも課題の1つでした。デジタルベータカムは10年、編集機は20年近くも使っていましたから。3台のリニア編集機のうち、1台はカット編集のみで、スーパーインポーズとエフェクトに対応したものは2台しかなく、どうしても黒完パケができる編集機に作業が集中してしまい、ニュースやスポーツの番組が多い金曜日の前日などは編集機の取り合いでした。

編集室とカメラはグループウェアで
予約・管理することに変更


K2 EDIUS Share選定までの流れ、選択のポイント

弊社の場合は、リニア編集の時から編集専任の担当者がおらず、各番組の担当者が自ら編集を行っているために、ノンリニア編集においても短期で習得が可能で、移行も短期でできるシステムでなければなりませんでした。各社のノンリニア編集機をお借りして、担当者が実際に触ってみて検証しました。
各社からネットワークで接続されたサーバー/クライアントシステムが出てくるだろうと予想していまして、案の定出てきましたが、放送局での使用には、それに特化したものでなければ実用に耐えません。他社さんのシステムを見ましたが、レンダリングに時間がかかったり、非常に高価だったりして、弊社の希望に合うものはありませんでした。
そんな時にカノープスさんのK2 EDIUS Shareを知ったのです。今までに各社から提示していただいた中で、最もサーバー容量が大きく、それでいて最も価格が安かったのがK2 EDIUS Shareだったのです。素材サーバーによる渡り編集とHD素材の共有、HD回線などからの定時収録機能もカノープスのK2 EDIUS Shareは非常に便利でした。 最終的にカノープスさんに決めたのは、2006年の12月で、実際に機材が入りだしたのが2007年4月からです。ゴールデンウィーク明けからシステムの習得を始め、6月1日から本稼動というスケジュールでした。


実際に使ってみて

今度のカノープスのシステムでは、ごく自然に、直感的にカットでどんどん繋いでいけます。本当にすんなりと入っていくことができたと思います。編集マンは、私に訊く前にできることを自分で見つけ出して、色々なものを作り込んでいきます。関連会社にEDIUS Pro version 4が入っていたこともありますが、使ったことがない人も積極的に覚えました。分からなければ周囲に聞き、私に聞き、それでも分からなければカノープスさんに聞く、という流れを作りました。EDIUSのヘルプも充実していて、しかも日本語ですから大いに助かりました。
ハードウェア面からみたスピードということで言えば、タイムラインを3つ、4つぐらいに普通のエフェクトを乗せたくらいであれば、ほとんどレンダリングがないですね。これが単体ではなく、SANのネットワークを使って複数台で同時にできるというのは他にはないですね。7台の端末(HDWS-3000 x6、HDWS-1000 x1)が同時にHDで動いて、なおかつ4ストリームまで大丈夫だということを考えると、他社にはないことを実感しますね。ものすごく凝ったものを作る以外の普通の作業においては、待ち時間はないと判断してよいかと思います。 今はテロップをもう少し軽く処理する方法を考えています。テロップやCGはHQ Codecに変換してからだと軽くなるそうですので、これからテストしてみたいと思っています。
本システムは運用開始して約2ヶ月になりますが、各HDWS-3000やSANサーバー、ストレージがノントラブルで運行出来ていることは、「なによりも」感激しています。


リニアに慣れた人は

全くノンリニアを経験したことでない人やキーボードをあまり使えない人でも、結構使えています。リニアが空いているのに「もう、リニアには戻れない、ノンリニアの方がいい」という声が増えていますね。ただ、どうしても時間がない時などはリニアで繋いでからノンリニアで最終の編集をしている人もいます。 リニア編集機は老朽化していますので、いつまでも置いておくつもりはありません。いくらいい面だけを考えてもメンテナンスコストはかかってきてしまいますから、ある程度のところで切る予定です。それまでには、リニアだけという感覚の人たちにも完全にノンリニアに移行しておいてもらわなくてはなりません。

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