Canopusからの提案 Canopus


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困難を極める超高度での撮影

 パク・ヨンソク遠征隊と初めて会ったのは、99年のことで、シシャパンマ登頂以降のドキュメンタリー制作のときでした。私は、ほとんど無酸素状態と変わりない8,000m級の山で隊員たちが直接撮影したフィルムを見て大きな衝撃を受けたのです。
 ヒマラヤ級の登頂を記録する場合、ベースキャンプまでは放送局のカメラマンが同行取材しますがキャンプから先は、隊員が直接撮影をしなければなりません。登っていくだけでも厳しい状態である上に、撮影のために先に進んだり、後ろへさがったりといったことを繰り返すので、撮影担当隊員は誰よりも多くの体力を消耗せざるをえないのです。
 当然のことながら、撮影機材については、もっとも軽く、そして、寒さに負けないような装備で臨まなくてはなりません。当時の撮影では、家庭用ビデオハンディカム(当時、主にSONYのPC-110を使用)に重容量のバッテリー2つのみで、必要なときだけ電源をつけるというやり方で、頂上までの記録が撮影されました。

2005年の遠征では、撮影にSONYの「HDR-FX1」を使用

しかし、2005年の遠征においては、「人類最初の山岳グランドスラム」という前人未到の、かつ60日にわたる長期戦を記録するには家庭用DVカメラは、あまりにも力不足だったのです。
 「すべての記録をHDCAMで撮影し、さらに現場の状況を生放送でニュースとして送る」というのが、私たちの命題でした。しかし、放送装備を担当するカメラマンの数も運行費用も決して十分ではありませんでしたし、60日間の全工程をHDCAMだけで撮影しようとすると、テープだけでもダンボール2箱ほどにもなってしまうのです。かといって、遠征隊の隊員たちに余計な荷物を持たせることなどできません。

 撮影機材の調達で悩んでいる時に、ヨンサン電子から制作支援のオファーがあり、SONYの「HDR-FX1」が提供されたのです。 HDR-FX1とHDCAMの同時撮影テスト撮影を終え、素材を持ち帰って、放送局の内部で画質の試写を行いました。逆光の部分では若干の差はあるものの、順光部分の被写体撮影に関しては、全く文句はありませんでした。「よし、こいつ(HDR-FX1)に賭けてみよう」と思いました。


Canopus EDIUS登場

 HDR-FX1の基本的な性能には、なんら問題ないことが明らかとなり、2004年9月から12月に及ぶ過酷な訓練が始まりました。そこで新たな問題が浮上してきたのです。
取材テープがどんどん増えていったのです。つまり、果たしてこれを、どう編集していったらいいのか、という新しい悩みです。この問題は、遠征直前まで私たちを悩ませ続けました。
 この悩みを解放してくれたのが、カノープスの「EDIUS NX for HDV」(以下、EDIUS)でした。
 私たちは、コンバータを購入して、HDVをすべてHDCAMにコンバーティングして編集するつもりでいました。それが遠征前に、カノープスの韓国代理店BESCO SI社から協賛したいとの連絡を受けたのです。
カノープスのEDIUSは、「Premiere」と「AVID」の良い所取りをした、非常に高機能で満足のいくものでした。しかも、一抹の不安であった編集作業のスピードについても、カノープス独自のHQのコーデックに転換しながらキャプチャすることで一般のDVと同じ操作感を実現できることがわかりました。そして、一番驚いたことは、2日間におよぶ連続稼働テストでも一度もダウンすることなく、良好なテスト結果を得ることができたことでした。しかも、万が一ダウンした場合でも、オートセーブ機能により一度に全てが消えるという最悪の状況を防ぐこともできるのです。

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