Canopus

スキー競技の映像を即座に編集

2007年に開催される第62回国民体育大会、通称「秋田わか杉国体」の冬季大会が2007年2月10日〜13日に開催されました。ジャイアントスラローム、クロスカントリー、スペシャルジャンプ、コンバインド、バイアスロンの5種目で熱戦が繰り広げられました。
秋田の日本テレビ系放送局「株式会社秋田放送」様(以下、ABS)では、アルペン競技が開催された田沢湖スキー場とノルディック競技が開催された花輪スキー場の2ヶ所から生中継も交えたレポートを連日放送し、その中でカノープスのHDWS-3000MIPが活躍しました。



ワークフロー概要 (田沢湖会場)
1 EDUSにてプロジェクト内に複数のシーケンス(歓迎前夜祭、開会式、成年男子A/B、提供バックなど)を事前に作成しておき、カラーバー&クレジットを配置
2 取材カメラが戻り次第、テープを受け取りキャプチャ
3 報道記者及びカメラマンの指示で編集作業
4 編集結果は完成次第、随時HDWS-3000MIPのHD-SDIをFPUにつなぎ、タイムライン再生をダイレクトにABS本社(秋田市)へ送出
5 ABS本社は、HD-SDI信号を受け、テロップなどを付加して、オンエア用テープ作成
6 連日夕方のローカルニュース枠で田沢湖、花輪から生中継&オンエア用テープをABS本社でVTR出し
   
機材 (田沢湖会場)

編集設備

■ノンリニア
HDWS-3000MIP(1式)、AJ-HD1200A(1台)
■編集サブ
BVE-600(1台)、DVCPRO50デッキ
(1台)

放送設備

DVCPRO HDカメラ(スタジオ用)、モニタリング用ミキサー、FPU、波形モニタなど

取材設備

DVCPRO HDカメラ(2台)、DVCPRO50カメラ(4台)

その他 ABS本社との連絡用電話、中継車との連絡用トランシーバーなど


秋田わか杉国体冬季大会スキー競技 カノープス使用インプレッション
秋田放送 報道制作局 報道部 専任部次長 チーフカメラマン 佐々木偉性氏
従来スポーツ取材では「取材した素材をいかに素早く編集するか」に重点において機材選定をしてきました。今回HD化と機動力を考慮してDVCPRO及びDVCPRO HDカメラとラップトップ編集機、そしてEDIUS Pro version 4搭載のカノープスの最新鋭機HDWS-3000MIPでスキー国体に挑戦しました。

取材は午前7時からスタート。まずは11時30分からの昼ニュースのために3台の取材カメラからの映像で手の空いたスタッフがリニア編集を行いました。
昼食兼打ち合わせ中に素材の取り込みを行うことで、昼食後には取り込まれた素材でノンリニア編集、取り込み終えたテープを使ってリニア編集ができます。これまでは1人ずつしか編集作業ができなかったのが、2人のカメラマンが同時に編集を進めることができるのです。
その後、取材を継続しているチームが戻るのが午後3時。ここから夕方5時台の特番と6時台のニュースに向け、2分から4分のBGM/ナレーション付きのセミ完パケ素材を1日平均4、5本作ります。素材の尺切りはもちろん、BGMやナレーション関連の作業も、ダビングを必要とするリニア編集に比べて短時間で行うことができました。とりわけ驚いたのが、国体選手が自分のビデオカメラで撮影したミニDVテープ(しかもLPモード録画)が難なく使用できたことです。従来使っていたDVCラップトップ編集機では受け付けてくれず諦めていたのですが今回は大丈夫でした。
編集を終えた素材はHDWSからFPUを経由して伝送。リニア編集素材も「取り込みながらの伝送」することで限られた時間を有効に使うことができました。

パッケージ(システム構成)は大掛かりでないにも関わらず人目を惹くものでありました。仮設スタジオにある編集機は、通り行く人、国体選手、また各社報道機関に注目され、番組もよく見ていただいたものと確信しております。今回は報道プラス制作も混じったスタッフ編成でしたが、導入済みのカノープス製品である程度習熟していたことが成功の要因の一つにあげられます。カノープスの編集機を中継現場に持ち込んだ今回の試みは、これからやってくる国体の本大会・秋の国体に向けて非常に大きな自信となりました。

今回、秋田国体のオンエアに際し、技術協力いただいたカノープスのスタッフの方、共信コミュニケーションズの方々に心からお礼を申し上げたいと考えております。


仮設スタジオの様子
     
田沢湖スキー場レストラン内に設置された仮設スタジオ   スタジオから見たレストラン全景
     
     
仮設スタジオ内に設置されたHDWS-3000MIP   バックアップ用に用意されたリニア編集システム
     
     
FPU伝送関連機材   FPUにはHDに対応した日立国際電気のデジタルFPUを使用
     
     
オンエア中の風景   中継ではHDWS-3000MIPの姿も画面に登場
     
     
 
明るいトークで中継を担当されたABS酒井茉耶アナ    



株式会社秋田放送
http://www.akita-abs.co.jp/
〒010-8611 秋田県秋田市山王七丁目9-42
電話:018-824-8533

日本テレビをキー局とする秋田県の放送局。夕方の『ゆうドキっ!』や『リアルタイムあきた』などローカル番組制作にも力を入れている。 ラジオ放送も手掛け、地元に密着した情報を発信している。2006年6月から地上デジタル放送を開始。イメージキャラクターは「デジタルヨンチャン」。



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