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Canopus HQ Software Codec について

新たに導入する「Canopus HQ Software Codec」は、当社の映像圧縮伸張技術の最新版で、従来以上の圧縮率と高品質を実現しました。
データサイズが巨大なHD映像を非圧縮のまま編集しようとすると、PCプラットフォームの性能やHDDの性能の確保など非常に大がかりなシステムが必要となり、ワークフローの効率化には程遠いシステムになってしまいます。そのため、現在、現場で使用されている収録用のVTRは、今回評価に用いた”HDCAM”と”DVCPRO HD”タイプが中心になっており、収録素材の画質を損なわないことが映像編集に求められていると言えます。
素材の画質を損なうことなく、リアルタイム性を重視し、ワークフローの改善をするには、HD映像の高画質を維持したまま圧縮する技術が不可欠です。カノープスではHD時代を先取りし、DV編集から培ってきたコーデックのソフトウエア化を取り組んでおり、ソフトコーデック最大の特徴である柔軟性を発揮しソフトのアップデートだけで、画質を向上させることを実現しました。


【1】周波数特性
現在使われている主なHD-VTRであるDVCPRO-HD、HDCAMとCanopus HQの処理特性を比較したのが表1です。HDの水平有効画素は1920/59.94iの場合、輝度情報に1920、色差情報にPb/Pr各960画素を割り当てますが、圧縮する際には、まず先にダウンサンプリングを行って処理画素数を少なくする手法が良く使われます。この処理画素数は周波数特性に最も大きく影響します。

 
DVCPRO-HD
HDCAM
Canopus HQ
圧縮時 輝度画素数
1280
1440
1440
圧縮時 色差画素数
640
480
720
ビットレート
約100Mbps
約140Mbps
可変
表1:コーデック方式による圧縮画素比較 (1920/59.94i)
 
DVCPRO-HD は水平1920の映像情報を4:2:2のまま1280画素に縮小し、圧縮処理しますので全体的に周波数特性が元の2/3に低下します。HDCAMの場合は輝度情報は3/4の1440画素に縮小しますが色差情報は元の960画素を1/2の480画素(3:1:1)にまで縮小します。従って輝度情報の周波数特性はDVCPRO-HD よりも伸びますが、色情報の周波数特性は逆にDVCPRO-HDよりも低下するという特徴を持っています。これらに対してCanopus HQは4:2:2のまま全体を3/4の1440画素に縮小しますので輝度情報はHDCAMと同等、色情報はDVCPRO-HDやHDCAMよりも周波数特性が優れています。図1は1MHzから30MHzまで連続的に変化するスイープ映像を使って各圧縮方式の周波数特性を比較したものです。

図1:SWEEP(1-30MHz)映像による周波数特性の比較
DVCPRO-HD
・左:Y-1280画素
・右:PbPr-640画素
HDCAM
・Y-1440画素
・PbPr-480画素
Canopus HQ
・Y-1440画素
・PbPr-720画素
(137Mbps相当)
(画像をクリックすると拡大します。)

信号源:Tektronix TG700
波形モニタ:Tektronix WFM700


【2】可変ビットレート

Canopus HQコーデック は画質一定でビットレートが可変であるという特徴があります。簡単な映像であればビットレートは下がり、複雑な絵柄はビットレートを上げて画質の劣化を防ぎます。また最高ビットレートのリミット機能を備えており、不用意にデータが大きくなり過ぎる心配もありません。ノンリニア編集ではハードディスク容量で編集の使い勝手が大きく変わりますので画質を劣化させずにデータ容量を節約できる可変ビットレート機能は大きなメリットとなります。


HDWS-1000はサブサンプリングのフィルタ特性さえもプログラマブルですので、今後もプラットフォームの高性能化をいち早くシステムのパフォーマンスや画質改善に反映させる事が可能です。例えば水平1920画素を縮小する事なく4:2:2のまま圧縮する手法などを研究中です。最新のプラットフォーム性能、ソフトウェア環境に合わせて進化し続けるのがHDWS-1000の最大の特徴です。


 
図2:画質比較

オリジナル画像 (全体/縮小)
     
 
オリジナル画像 (2.5倍拡大)   HDCAM 140Mbps (2.5倍拡大)
     
 
看板の赤い枠の左側に注目すると、HDCAMには黒っぽい滲みがあることが分かります。Canopus HQでも発生していますが、抑えられており、オリジナルに近いことが分かります。
Canopus HQ 180Mbps相当 (2.5倍拡大)    



オリジナル画像 (全体/縮小)
     
 
オリジナル画像 (3倍拡大)   HDCAM 140Mbps (3倍拡大)
     
 
Canopus HQは、モスキートノイズの発生も抑えられており、オリジナルに近い画質を維持していることが分かります。
Canopus HQ 180Mbps相当 (3倍拡大)    


※ HDCAMはソニー株式会社の登録商標です。
※ DVCPRO HDは松下電器産業株式会社の商標です。
※この検証は当社が独自に行ったものです。すべての環境で同様の結果が得られることを保証するものではありません。


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