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【ネットワークの利便性、および、撮影機材と編集機材との相性を最重要視して選択】 キャッチネットワーク様では、来る完全HD送出に向け、編集機材のみならず、取材カメラも同時に刷新するというプランを遂行されました。まずは、新しい業務システムで利用する機器の選定ポイントなどについて、お伺いしてきましょう。 − K2 EDIUS Shareの導入に至った経緯を教えていただけますか? 松本氏:当初からの目標として、2008年の4月からは完全にHDで送出をするという目標があり、それに向けて、取材・編集機器を新しいもので揃えることになりました。その際に実際の編集マンからの一番の要望は、編集効率の改善でした。従来のスタンドアローン環境の編集機では、編集室がすぐに満杯になり取り合いになってしまう状態が多く、そうなると、時差編集をするしかなく、時差出勤などでやりくりしたきたのです。要は編集効率が非常に悪かったということです。その状況を何とかしたいということから、最終的にはネットワーク型システムの導入が検討されました。− K2 EDIUS Shareに注目されたきっかけは、どのようなものだったのですか? 松本氏:実は、近隣の他局と一緒になって「HD共同研究会」という組織を立ち上げており、そこでは機材などの検証をしているのですが、そこで他局の方たちとも「K2 EDIUS Shareはいいよね、EDIUSはいいよね」とよく話をしていたのです。 − 機器の選定に関しては、制作現場にも意見があったと思いますが、そのあたりはいかがですか?
− 実際に導入された時期と導入を検討された期間について、教えていただけますか? 松本氏:機器の導入は今年(2007年)の8月になります。検討期間は1年ぐらいですね。機器の選定やシステムの仕様が固まってからは、導入や構築は一気呵成に進めました。 − ネットワークシステムを選ばれた最大の要因は、どのあたりにありますか? 松本氏:当社の場合は、編集と送出とアーカイブのそれぞれのサーバーを立てて、完全にテープレスで、というのを一番に考えていましたので、このような仕様がうまく実現できるようなシステムの構築が大命題でした。実際に導入してみてK2 EDIUS Shareのネットワークをベースに、取材機器にPanasonicさんのカメラ、編集機にEDIUSのターンキーシステムを入れてよかったな、と思っています。
【時差出勤や残業を解消。編集作業自体もスピーディに】 続いては、システムの具体的な構成、そして、実際に機器を使用する現場での評判などについて、聞いてみましょう。 − 新しいシステムの構成について、もう少し詳しく教えていただけますか?
− 編集のフロントエンドは、どうなっていますか? 松本氏:編集機は、HDWS-3000が1台、REXCEED MODEL5000が6台の計7台を導入しました。それらの全てがサーバーにぶら下がっている形です。基本的にはどれも同じ仕様にしており、どの編集機でも同じ作業ができます。今はもうまったく、待ち状態はないですね。編集室が満杯で時差出勤や長時間の残業で編集を行わねばならないという非効率な作業も解消できました。まさにネットワークの恩恵ですね。 − システムの構築は順調でしたか? 松本氏:システム構築の期間というのは、1ヶ月間ぐらいでしょうか。8月に全ての機材を導入して、そこからチョコチョコと使い始めて、完全に移行したのは10月ぐらいですね。移行期間では、入ってきた新しい機材はすぐには番組には使わずに、各々が練習用に撮影してきた素材をサーバーに入れ、それを使って新しい編集機の操作に慣れる、ということをしました。いわゆる教育期間ですね。それで、ある程度使える状況になったところから、徐々に番組本番に使っていくようにしました。 − 使い勝手など、現場での評価はいかがですか?
− 作業スピードの面ではいかがですか? 武田氏:たとえば、レンダリングについては、以前の機材ではかなりレンダリングが必要だったのですが、EDIUSターンキーでは、最終的にはレンダリングをしなくてはいけない場合も無いとは言えませんが、普通にエフェクトをかけたり、タイトルを乗せたりしたときには、とてもスムーズに動いてくれますので、スピーディに編集できるようになりました。 − スーパーはどのように作られているのですか? 武田氏:スーパーはほとんど、PCの画像編集ソフトで作って、そのデータをプラグイン経由で入れていくといったことをしているのですけど、スーパーのデータが全て、サーバーに入れておけるというのも効率的な編集に一役かっていると思います。 − システム運用面でのトラブルはありませんか? 松本氏:運用でのトラブルはないですね。思った以上になかったので、僕もビックリしているところです。実際に神戸の方にも行って、組み立ての立ち会いなどもしていますし、はじめから安心していました。
【アーカイブのデータベース化とクロスメディアの促進が新サーバー環境での今後の目標】 最後に、今後、ケーブルテレビ局として目指すところ、また、その目標へ向けて利用していくことになる新システムについての率直な感想などをお聞きしていきましょう。 − 今後の展望について、お聞かせください。 松本氏:システム面では、まず、アーカイブについては来年(2008年)2月ぐらいから工事が始まります。現在は、放送した番組の完パケをテープで保存するという形態なのですが、アーカイブシステムができあがったらBlu-rayを使って、全てをそこで保存するワークフローにしたいと思っています。放送したらすぐ保存し、編集で要らなくなったらすぐに消す、という状況にできます。 − どこの局でもアーカイブのデータベース化が大きな課題となっていますが、そのあたりはいかがでしょうか? 松本氏:アーカイブしたものについては、いつでも二次利用ができるようにしていきたいと思っています。現在すでに、撮影段階で出演してくださる方々に対して、二次使用を許可してもらえるような書類なども用意していますし、また、フォントもちゃんと契約をして、再放送ができるようなものを使う体制になってきています。アーカイブのデータベースには、そうした、取材時にいただいた二次使用の許諾などの情報もメタデータとして映像に付けて、番組をまとめてしまおうと考えています。そうした仕組みも、ネットワークシステムであればうまく構築できると思います。 − 番組制作面における将来構想をお聞かせください。 武田氏:当社の場合には、ラジオとテレビとインターネット、今後はフリーペーパーの発行も予定していて、それらが全部つながって、連動していくようなものを作っていきたいですね。ちなみに、ラジオとテレビとを連動させた番組は、現在すでにやっています。 − それでは最後に、システムを入れてみての率直なご感想をお聞かせください。 松本氏:僕の立場からしますと、業務改善が一番の命題、課題でした。それが、サーバーを入れたことで、具体的な数値は出ていないのですが、直感的に改善がされていることははっきりとわかります。K2 EDIUS Shareを入れた価値は十分にあったと思っています。また、取材機器にPanasonicさんのP2を採用したというのは、かなり衝撃的なことだろうと思うのですが、正直なところ、P2とEDIUSという組み合わせにしてよかったなと思っています。
【システム構成図】
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