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【「教室の空き・混み具合をリアルタイムかつ正確に伝えたい」というニーズからHD映像による教室空き状況表示サービスを開始】 甲南大学様では、学生がPCを自由に利用できる教室を複数用意しています。そのような教室はいくつかの校舎に分散しているのですが、わざわざそこまで行かなくても、その教室の混み具合を離れたパブリックスペースのモニターで確認できるシステムが整備されました。最初に、そのシステムの概要について、情報教育研究センターの鳩貝耕一教授と豊田茂夫課長にお伺いしてみましょう。 − まずは、今回導入されたシステムの概要について、お教えいただけますか?
− それで、利用状況を視覚的に確認することのできるシステムが導入されたわけですね。 鳩貝氏:そうです。以前にも、各教室に設置されたWebカメラからの映像を、学内LANを経由してセンターの一ヶ所に集め、MEDIAEDGEをベースにそれらの映像をまとめてプラズマモニターに出すというシステムを構築していました。しかし、そのシステムはパソコンのRGB画面をSD映像のNTSCへとダウンコンバートしていましたので、その画質はあまり鮮明ではありませんでした。文字も動画もフォーカスが甘く、教室内の映像は出ていても、誰がいるとか、何人ぐらいいるとかいうのは、あまりはっきりと認識できない状況でした。ですから、今回のリニューアルに際しては、鮮明な映像を届けたい、という思いが一番強かったですね。 − 現在、何ヶ所の状況がモニターで確認できるようになっているのですか? 豊田氏:現在、5号館が3つ、2号館が1つ、1号館が1つですね。3つの建物に亘る、計5ヶ所の利用状況が一目でわかります。最大15ヶ所の様子を表示することも可能です。モニターの設置場所は、前からあった5号館1階の入り口正面と2号館3階のエレベーターホールに加え、今回、2号館1階のエレベーターホールにも設置しました。 − カメラは何台、設置してあるのですか? 豊田氏:カメラの数は、トータルで28台です。以前は13の教室に各2台だったのですが、それに加えて、2カ所のラウンジに各1台ずつ追加しました。 − モニターには数字も表示されていますが、あれは何を示しているのですか?
− それはとてもわかりやすくて、よいですね。ところで、機器選択の決め手はどのあたりにあったのでしょうか? 鳩貝氏:導入の決め手になったのは、やはり、HDです。学生に対してきっちりと教室の混み具合を伝えたい、ということが大前提にありましたので、どれくらい混んでいるのかというのを映像ではっきりとわかるようにしたかったのです。そこで、HDにしようということになりました。 − SDとHDとでは、やはり、かなり違いますか? 鳩貝氏:綺麗さということでいえば、もう、全然違いますよ。まるで別物ですね。もう、SDには戻れません。どうしてもHDにしたかったため、モニターも今回、ハイビジョンタイプに入れ替えました。前のモニターはSDよりもかなり高い解像度でしたがフルハイビジョンではありませんでした。今回は、完全にフルハイビジョン対応のものにしています。HDにしたことで、実際にモニターに出力される画面構成も、教室の様子がより大きく鮮明に映し出されるように変えることができました。 − 導入に際して、設定されていた条件には、どのようなものがあったのでしょうか? 鳩貝氏:必須条件は、クリアなHD映像が見られること、モニター内をマルチ画面にできること、指定した時間できっちりと切り替わることなどです。それらの条件とは別に、学内ネットワークにはかなりのトラフィックが流れていますので、それらを圧迫しないということも重要でした。今回のMPEG-HDを使ったシステムでは、そういう意味では、データ量的にも助かっています。 − 具体的には、どの程度の情報量が流れているのでしょうか? 鳩貝氏:ネットワークの流れを見ていますと、25Mbpsぐらいはコンスタントに使われています。フレーム数はフルフレームのフルハイビジョンです。実際に流しているカメラ映像は、1秒間のコマ数を低く設定してありますが、状況を確認するという用途としては、何も問題はありません。このシステムであれば、普通のフルフレーム動画をハイビジョンで流しても、綺麗な映像が楽しめるでしょう。
【コストパフォーマンスと機器の信頼性に高い評価】 続いては、HD対応のMEDIAEDGE3を決めるまでの経緯や実際に導入しての感想などをお聞きしていきましょう。 − 今回構築されたシステムが正式稼働したのは、いつのことですか?
− 夏休みの期間を利用して、システムのリニューアルをされたわけですね? 構築は順調でしたか? 鳩貝氏:順調でした。もちろん、問題はいろいろと出ましたが、一つひとつ解決し遅延もなく最終的な稼働にこぎ着けました。問題といっても、システム導入時には必ず発生するような些細なものばかりで、システムが動かないといったような大問題はありませんでした。 − 機器選択やシステム構築に関する検討期間は、どのくらいあったのですか? 鳩貝氏:システムの入れ替えを考え始めたのは、だいたい2006年の夏頃です。業者を決定したあと、様々な提案を検討しフィックスしたのが、(2007年)5月頃です。実は、最初の提案はSD仕様だったのですが、その後、HDのデモを見るなどした結果、やはりHDの方が断然によいと判断し、少々予算を増やしてHDにしたのです。 − 実際に構築を担当する業者さんの動きは、いかがでしたか? 鳩貝氏:今回のプロジェクトでは、教示装置などのAV系に関しては内田洋行さんがシステム構築を手がけました。内田洋行さんは、とてもチャレンジ精神が旺盛な会社でして、そこで出されてきたアイディアを実現するためにカノープスさんとジョイントを組んでもらった形です。フレキシブルな対応ができる会社同士のチームプロジェクトでしたので、構築作業は非常にスムーズに運びました。 − 実際に導入してみて、いかがでしょうか?
− コストパフォーマンスのほかに、MEDIAEDGE3のメリットはどのあたりにありますでしょうか? 鳩貝氏:まずは、機器の信頼性ですね。機器自体に信頼度がなければ、大学には導入できません。それに、機器が安定して動いてくれるということは、導入後に発生する保守作業が最小限に押さえられるということです。実際、導入後に、ほとんどメンテナンスをする必要がないというところは、ありがたいですね。前回のMEDIAEDGEでも故障など全くありませんでしたし、メンテナンスといっても定期点検ぐらいでした。今回のシステムでも、セットアップさえすれば、あとは勝手に動いてくれますので、はっきり言ってもう、ほとんど触ることはありません。 − MEDIAEDGE3に対する全体的な評価をいただけますか? 鳩貝氏:MEDIAEDGE3に対する率直な評価としては、学内のネットワークを利用して、高解像度の綺麗な映像が比較的低いビットレートで配信できる、というところになります。本学にも、そういった需要が他にたくさんありますので、今後ともぜひ、MEDIAEDGE3をはじめとするカノープスの先進機器を使ってのHDのソリューションを増やしていきたいと考えております。
【学内のどこからでも、映像の配信ができるような形のものを考えていきたい】 最後に、新システムを使っての将来構想や、これからシステム導入を検討されている教育機関に対するメッセージなどを語っていただきました。 − 今回導入された新しいMEDIAEDGE3のシステムを利用して、チャレンジ的な新しいプランはありますか? 豊田氏:まだ実現はできていないのですが、たとえば、緊急時のコンテンツを映像で発信するとか、オープンキャンパスなど学内行事に関連したコンテンツの配信は是非トライしたいですね。 − 映像をライブラリー化してオン・デマンドで流すなどのプランは、どうですか? 鳩貝氏:ビデオ・オン・デマンドについては、映像コンテンツをライブラリー化していこうといった話もあります。ただ、人手や時間などの問題から、現時点ではまだ踏み出せていません。しかし、特定の講座などを録画して配信するというのでしたら、時間もかかりませんし、魅力がありますね。 − コンテンツの制作部分を、学生さんたちに手伝ってもらうという手はありませんか? 豊田氏:もちろん、そのあたりを学生自身にやってもらうということもあります。学生たちの自由な発想で、色々な映像を作っていってもらえるといいですね。そうなればきっと、面白いものを作ってくるのではないかと思います。このセンターでは、ビデオ機材などの貸し出しもしていまして、学生たちはそれらの機材を使って、動画の卒業アルバムを作るなどといったこともしているのですよ。 − すでに動きはあるのですね。あとは、上手に利用してもらうだけですね。 豊田氏:実は、当センターには、学生へ向けてのキーワードとして「情報を学び、情報を活かす」というのがあるのです。学生にはこのコンセプトを体現するような新しい映像システムを活用した様々なチャレンジをして欲しいですね。 − 現在、映像関連のソリューションの導入を考えられている教育機関や公共施設は、多いと思います。そうした機関に対して、先達として、メッセージをいただけますか? 鳩貝氏:今後はHDでの映像システムを構築していくべきだと思います。HDというのは、家庭ではずいぶんと普及してきていますが、大学などではまだSDが多いのが現状かと思います。ぜひ今後は、HDのソリューションをどんどん考えていっていただきたいなと、私自身は思っています。
【システム構成図】
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