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【字幕データ作成作業の効率化のためにトムソン・カノープス製品を導入】 字幕付きの映像は古くからありますが、今では、パソコンベースで字幕作成は行われています。実際に字幕作成を担当するコリア・エンターテイメント様と、字幕作成ソフトウェアの開発元であるカンバス様に字幕作成のフローなどを伺ってみました。 − はじめに、コリア・エンターテインメント様、カンバス様の主な業務をお教えいただけますか?
前川氏:弊社の主業務は、「SST」という字幕制作専用ソフトウェアの開発・販売です。弊社も設立から10年ほどでして、コリア・エンターテインメントさんとは長いお付き合いです。 − SSTというソフトウェアのシェアは、どのくらいなのですか? 前川氏:翻訳業務で考えるなら、9割を超えていると思います。 − SSTの優れている点は、どのあたりですか? 河氏:普通のパソコンで使えるというところです。翻訳者さんたちが持っている普通のパソコンにSSTを入れるだけで、字幕データが作れてしまうというのが本当に素晴らしいです。それも、映像を見ながら字幕翻訳ができるのです。縦書きやルビ振りなども含め、字幕に関することが高度なレベルでできるソフトウェアはSST以外にはないのです。 − 字幕を作成するという仕事の流れを詳しく教えていただけますか? 河氏:まず、韓国から送られてきた映像素材をEDIUSでキャプチャし、映像データにします。次に翻訳担当者がその映像データを見ながらセリフなどを日本語に訳して文字を入力します。このときに、その文字をいつ出していつ消すのかというタイミングの指定も入力します。ここまでの作業のことを、「字幕翻訳」と呼んでいます。 − カンバス様の「SST」が受け持つのは、どの部分になるのですか? 前川氏:字幕翻訳の部分をSSTが担当します。翻訳者のパソコンにインストールされているSSTを使って映像を見ながら「このタイミングでこの文字を入れる」というデータを作っていきます。 − 字幕作成の流れとSSTの役割は理解できました。では、EDIUSやHDWS-1100導入の経緯はどういったものだったのでしょうか? 河氏:先ほど申し上げましたように字幕データの作成はSSTが対応しますが、SSTはレコーダー機器ではありませんので、テープ自体の編集はできません。テープに字幕を乗せる部分や放送局のフォーマットに合わせるための最終的なカット編集などは外注でした。しかし外注ではコストや時間がかかるため、全ての工程を社内で完結したいという希望を持っていたのです。
【すべてを社内でこなせるシステムを構築し、圧倒的な工数&コスト削減を実現】 韓流ドラマの人気に伴い仕事が急速に増えてきたコリア・エンターテインメント様では、業務をさらにスムーズにしつつ経費を削減していくために全作業を自社内で完結する体制の構築を考えられたそうです。 − 外注から内製への切り替えの経緯を教えてください。 河氏:字幕作成には修正や変更は付きものです。かつての制作体制では、修正作業は外の業者さんに何度もお願いしなくてはなりませんでした。時間もかかりますし、スタジオ代も膨大なものになります。韓流ブームにより仕事が非常に増えてきたころから作業工数やコストを減らすことは切実なテーマでした。 − すべてを自社内で行えるようにしていった経緯について、もう少し詳しく教えてください。
河氏:字幕はSSTでデータとして作りますが、字幕データと映像との合体は外の業者さんにお願いしていました。業者さんでやってもらったものを再度自分たちでStormEditを使ってオフライン編集をしたあと、今度は別のスタジオに行って、放送局に納められる形に仕上げるためのカット編集やスーパー入れなどの最終編集、および、DVカムへの戻しをしていました。手間はかかりましたが、当時はコスト的にはそれが一番よかったのです。 − EDIUSの登場により編集スタジオのコストが削減されるようになったのですね。 河氏:そうです。しかし、その時点ではまだ、作業の効率ということからすると、どうしても解決したい大きな問題がありました。 − といいますと? 河氏:EDIUSがSSTに完全対応するまでは、SSTで作成した字幕データと元の映像を合体するには、「ここからここまでにこの字幕を入れて」といった、細かな編集ポイントの指定をひたすら行う地道な作業が必要だったのです。そこで、前川さんに「SSTで作成したデータをそのまま、EDIUSで取り込めるようにして欲しい」とお願いしていたのです。 − SSTで作成したデータをEDIUSで取り込むとのことですが、それは具体的にはどういう感じになるのですか? 河氏:SSTで作成した文字情報と、その文字をどのタイミングで出して、消すかという情報がそのまま、EDIUSのタイムライン上に貼り付けることができます。以前は一つひとつ手動で入力していくしかなかったのですけど、今ではボタン一つで、EDIUSのタイムライン上に字幕が「ダダダーっ!」と挿入できてしまいます。作業工数が圧倒的に短縮され、これはもう、我が社にとっては画期的なことでした。 − 両社のタイアップの結果、スピーディな内製システムが構築されたわけですね。 前川氏:そうです。 − HDになったことで、またもう一度、外部のスタジオでの作業が発生するようになってしまったというわけですか?
河氏:そうなのです。もちろんHDの編集自体はEDIUSでスムーズに行えますが、納品用のHDカムへの吐き出しはDVStormでは未対応でした。また、別途HD-VTRの購入も必要でしたので、あらためてコストの再検討に迫られたのです。 − 正式な導入は、いつですか? 河氏:2007年の秋です。導入した翌々日にはもう、放送局に納品していました。実際に使ってみて、非常によいので、HDでの納品もどんどん増えていき、今では2台のHDWS-1100がフル稼働状態ですね。
【HDWS-1100はSSTとベストマッチング 〜 類い希なる安定性こそが最大の魅力】 コリア・エンターテインメント様では、SSTとベストマッチングなシステムとして、EDIUS&HDWS-1100を選択されました。そこにたどり着くまでには、定評を得ているほとんどの編集システムについて入念な検討を重ねられたのだそうです。 − 話は戻りますが、ノンリニア編集システムの導入に際し、他社製品との比較検討はされましたか? 河氏:弊社にとっての重要項目は、『字幕制作とスムーズに連動できるシステムなのか?/コストパフォーマンスは優れているか?/安定したシステムか?』ということでした。私をはじめ、編集作業に携わるスタッフ全員で、様々なノンリニア編集システムを試しに試してみた結果、私達の要求や希望を満足させるシステムはトムソン・カノープス以外には存在しませんでした。まさに「トムソン・カノープスの圧勝」だったのです。 − 新システムの導入による効率アップを数値化することはできますか?
− 編集機としてのHDWSの魅力は、どのあたりに感じますか? 河氏:「落ちない」につきますね。HDWSは導入以来、一度も落ちたことがありません。 − システムに対する満足度はとても高いようですが、要望などはありますか? 河氏:満足しているのは事実ですが、実は要望があります。色々とノンリニアシステムを触ってEDIUSやHDWSは、安定性、コストパフォーマンスなど、すべての面でノンリニアの中では一番だと思っています。しかし、もっともっと普及してもらいたい。民放さんなどにはEDIUSを搭載したターンキーシステムが多数導入されているそうですが、例えば、中小の制作会社さんなどにちょっとした作業をお願いしたいときなど、そこにはEDIUSが入っていないことがあるのですね。制作会社やスタジオ側にも色々と事情はあるのでしょうが、老舗メーカー・老舗ブランド信仰みたいなものが邪魔をして、EDIUSを正当に評価していないように思えてなりません。EDIUSやHDWSという非常に優秀なシステムがあるのに、それを知らない、試したこともない、ということは残念ですね。 − EDIUSをよく知らない業者さんが提案したシステム構成になってしまう例も少なくないようです。
そこで、「うちではトムソン・カノープスを使っていて、こういう事ができるのだよ」というと、非常に驚かれるわけです。うちとしましては、トムソン・カノープス製品にノンリニアの業界スタンダードになってもらって、どこに行ってもEDIUSが動いているという環境になって欲しいです。特にSSTとの連携となると、ソフトウェアはEDIUS、ハードウェアはHDWSというのがベストマッチングですから。 − 最後に、カンバス様、コリア・エンターテインメント様のそれぞれのお立場から、SSTとHDWSという組み合わせに対する率直な評価や、これから入れようという方々へ向けてのメッセージなどをお聞かせください。 前川氏:迷われたときには、トムソン・カノープスの製品を導入すれば問題なしです。巷では定評のあるシステムでも、専用のエンジニアなどのプラスαの経費が別途必要だったり、操作が難解で使いこなせないという例もあります。それが、トムソン・カノープスの製品であれば、専用エンジニアなどは不要で、すぐに使いこなすことができるようになります。また、安定性も抜群なので自信を持ってお薦めできます。これは、おだてているとかいうことではなくて、本当にそう思うのですよ。
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