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【ノートPC を活用した新ワークフローを構築】
読売テレビ様では、オフライン編集にノートPC を最大限に活用する新しいワークフローを考案されました。そのワークフローはどのようなもので、どういった形で実現されているのでしょうか。新ワークフローのポイントやネットワーク編集システム導入による効率化アップなど、技術局 制作技術部の西村聡氏にお話を伺いました。 − 導入されたトムソン・カノープスの機材について、教えていただけますか? EDIUS Workgroup ServerのL-20Rをベースに、クライアント用のターンキーにHDWS-3500と同3100を各3台、また、オフライン編集用にEDIUS をインストールしたノートPC を12 台導入しています。EDIUS Workgroup Server は、2008 年にL-10R を導入し、今年(09 年)L-20R にアップグレードしました。− ネットワーク編集システムを導入された目的を教えてください。 HD が主流となってきたことへの対応があります。そうした状況の中、「SD /リニアのオフライン編集環境を、HD 対応のノンリニアに移行したい」とのニーズが出てきました。従来のシステムでは、SD 用のノンリニアのオフライン編集用機材が2台しか無かったのです。若手ディレクターを中心に「オフライン編集でもHD が扱えるノンリニア編集機を導入して欲しい」という要望が強く上がってきていました。新しいシステムにするからには、「日々の番組制作の効率化を行いたい」との考えもありました。 − 読売テレビ様では、ノートPC を活用する独自のアイディアをワークフローに採り入れられたと聞きました。
オフライン用の編集室が少なかったのです。そこで、オフライン編集室を必要としないノートPC を活用することに決めました。ノートPC でデータを持ち出して、ディレクターが自席や空いているスペースなどでいつでもオフライン編集できる体制を考えたのです。この場合、ノートPC がスタンドアローンでは意味がありません。オンライン編集のシステムにクライアントとして接続できるようにして、素材の共有や渡り編集などが効率的に行えるようにしたかったのです。 − ノートPC を活用するワークフローは、具体的にはどのような流れになっているのですか? 取材はHDCAM がほとんどで、希にサブとしてHDV を使うこともあります。撮影した素材は、
− ネットワーク編集システムを核にして、オフラインとオンライン、それぞれの編集形態を融合させたわけですね?
そうなりますね。例えば、平日の昼間に放送している「情報ライブ ミヤネ屋」という番組では、日々、数多くの素材を作らなくてはなりません。毎日となると、編集室やターンキーの空きがどうしても不足してしまうのです。そのような場合でもノートPC をオフライン編集に最大限に活用する新ワークフローであれば効率的に作業を進められるのです。 【新ワークフロー図】 【新ワークフローにもっともフィットする機材を選択】 従来システムからネットワーク編集システムへの切り替えは大規模リニューアルでした。機器選択のポイントはどういったところにあったのでしょうか。 − 機材を選択される際のポイントを終えてください。
− 最終的に、とおっしゃいましたが、最初は何か問題が ベースとなるEDIUS Workgroup Server には問題はなかったのですが、編集ソフトウェアのEDIUS の機能がもう少し多ければ感じました。 − といいますと? そのときのEDIUS には、欲しいと思った機能が若干不足していたのです。しかし、次のデモでは、私どもの要望がほとんど叶えられていました。私たちの要望を採り入れ、定期的なバージョンアップで反映していたのですね。現場の声に耳を傾け、迅速に対応してくださった点には正直感心しました。迅速な開発力と柔軟な対応力は、システム選択の大きな決め手になりました。 − その他に決め手となったところはありますか? 安定性の高さやコストパフォーマンスも重要でした。実際に各社に製品デモをしていただいた際に、一番安定して動いたのがEDIUS Workgroup Server でありEDIUS でした。特に印象に残っているのが、「VTR Emulation」という機能のデモのときでした。他社さんの場合は、技術担当さんなど大勢来られたのですが、うまく動かなかったことが多々ありました。ところが、トムソン・カノープスは、営業の方がお一人で機材を持って来られて、一人で繋いで、当たり前のように動かしてくださったのです。これは驚きでしたね。トムソン・カノープス製品は信頼に足るとの確証を得た出来事でした。 【ノントラブルでの運用に大いに満足】 新システムへの移行はスムーズだったのでしょうか。また、新システムの本格稼働後の運用は、効率アップが達成できたのでしょうか。 − 設置工事、そして実際の運用について伺いたいのですが、トラブルなどは発生しませんでしたでしょうか?
大規模なシステムなのでトラブルは覚悟していました。ところが、工事はスケジュール通りに進み、大きなトラブルはありませんでした。微細なものはすぐに解消しました。本稼働後の運用でも、先ほど申し上げたように、EDIUS Workgroup Server はL-10R からL-20R へとアップグレードを行っており、ストレージ容量を増やし、サーバー数とクライアントの接続数も増えていますが全くのノントラブルで運用しています。 − 編集ソフトウェアのEDIUS やHDWS の操作性などについては、いかがですか? 「Canopus HQ Codec」を使って編集作業を行っています。動作がスピィーディなので快適に作業できます。安定性も高いです。私どもの取り扱うフォーマットのほとんどはHDCAM ですが、それ以外のHDV、AVCHD はもちろん、MPEG やWindows Media、QuickTime のファイルなどにも対応していますので、現場としては非常にありがたいです。 − その他、EDIUS のメリットとして挙げられるところはありますか?
他社製編集ソフトとの比較時に感じたのですが、EDIUS のインターフェースは直感的で分かりやすいですね。導入のきっかけが、ディレクターがオフライン編集をするためでしたので、編集ソフトに精通していない人間でもどんどん編集できてしまうソフトウェアを望んでいました。EDIUS はその条件を最高レベルで満たしていると感じました。現場の声も、「使いやすい、分かりやすい」と好評ですよ。 − 実際に導入をされたあと、番組制作の効率は上がっていますでしょうか? 具体的な数字化は難しいですが、新ワークフローで作っている番組では、確実に作業時間の短縮を実感しています。クライアントがすべて、サーバーに繋がっていますので、ディレクターがオフライン編集をしたあとに、僕らがその続きをすぐにオンライン編集できるメリットはすごく大きいです。さらに、HDWS とノートPC には同じEDIUS が入っていますので、作業環境をHDWS からノートPC へ、逆に、ノートPC からHDWS へと移しても、違和感なく編集が続けられます。この点も効率化アップに繋がっていると思います。 【ネットワーク編集システムはすごくよいです!】 実際に新システムの導入を果たされた読売テレビ様が、ネットワーク編集システムに下す総合的な評価は、どのようなものでしょうか。 − 現在、ネットワークシステムの導入を検討されているテレビ局などに向けて、
うちでは、サーバーを中心に6台のターンキーと12 台のノートPC という運用ですが、サーバーを導入することで、『素材の一元管理、ノートPC も含めて全クライアントでの素材の共有、ターンキーとノートPC の使い分けと連携』など、従来のワークフローでは無理だったことが今では普通に行なえるようになりました。作業効率も確実に向上しています。ネットワーク編集システムはすごくよいと思います。 − 読売テレビ様として、今後の展開などについて、思われるところはありますか? 新規の設備投資が難しい昨今、EDIUS Workgroup Server を中心とした現有システムで最大限に面白い番組が作れるように努力していきたいと思っています。期待していてください。 【システム構成図】
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