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名古屋市中村区に本拠地を置く「学校法人 同朋学園」は、同地区に名古屋キャンパスとして、同朋大学、名古屋音楽大学、同朋高等学校、同朋大学付属同朋幼稚園を、また小牧市には小牧キャンパスとして名古屋造形芸術大学、名古屋造形芸術大学短期大学部を擁する学園都市を形成している。同朋学園では各学舎にまたがってネットワーク網を整備するとともに、図書館との連動を図りながら情報を一元的に管理・発信できるようにするため同朋学園情報センター「Doプラザ閲蔵(えつぞう)」を設立し、映像配信システムの構築を行った。そこで使われているのがMEDIAEDGEによる映像配信システムだ。
お話を伺った前同朋学園情報センター長
高橋肇氏
お話を伺った同朋学園情報センター
書記 山本稔氏

【導入の目的・重点ポイント】
●学内LANを最大限に生かしつつ、低コストで導入できる映像配信システムを構築したい
●施設ごとに別々ではなく、統合的、一元的な情報管理体制を作り、映像を活用した教育体制を充実させていきたい
●図書館との連動を密にし、生徒にとって有用な情報を便利に活用できるようなシステムにしていきたい

【学内LANを利用した映像配信システム導入の決め手は、低コストと拡張性の高さ】

同朋学園の名古屋キャンパス、同朋大学と名古屋音楽大学では、1996年以降学内LANの敷設を行ってきた。学内のほぼすべてにLANが行き渡ったのが2000年のことだそうだ。
同学園では学園の中枢となる情報センターとサーバールームを作ること、また図書館との連携を図るということを主な目的として、情報複合施設の「Doプラザ閲蔵」の設置を計画。2005年の10月にオープンした。

Doプラザ閲蔵の設置に伴い、LANを利用した映像配信の導入が検討された。具体的には映像教材の利用、遠隔授業での利用、音楽コンサートや講演会の配信といったことを実現できないか模索され、その結果、選ばれたのがカノープスのMEDIAEDGEだった。
MEDIAEDGEが選択された主な理由として、安価であることと拡張性が高いことが挙げられている。
同朋学園情報センター書記の山本稔氏は、「MEDIAEDGEの導入を決めたのは、自分たちのやりたいことがちゃんとできるということ、それにコスト面での折り合いも付けられたということですね」と語ってくれた。
前情報センター長の高橋肇氏は「それと拡張性ですね。セットトップボックスさえあればどこでも見られる。パソコンなら、アプリケーションソフトを入れれば端末になる。これはすごい拡張性の高さだと思いますね」。

【オンデマンド配信システムで、生徒への映像情報の提供をスムーズに】

実はDoプラザ閲蔵が設立される以前の同朋学園では、サーバー等の設備は各施設ごとに単発で行われるケースが多く、それらを接続したり統括したりといった発想はあまりなかったという。
「単発だったというのは、図書館のAV試聴コーナー用にサーバーを置くとそれは図書館でしか見られないものになっていたということです。それが学内のネットワークにサーバーをぶら下げることで、セットトップボックスさえあれば、LANがつながっているところであればどこでもできるようになったわけです」(高橋氏)


Doプラザ閲蔵のシステムは、MEDIAEDGEの特性である「複数箇所への映像配信」「ライブ配信」「オンデマンド配信」といった機能を存分に生かしたものとなっている。
まず、図書館との連動という大目的のために、図書館のAVコーナーに24台のSTB(セットトップボックス)を設置した。これについては「音楽大学では、映像を見るということはとても大切だと考えています。例えば、オペラなどの舞台芸術は、映像を見ないとわかりませんので。図書館では見たいものがオンデマンドで見られるような形にしたいと思っていました」(高橋氏)

ある授業で特定のオペラを取り上げるような場合には、これまでだと生徒たちはそのオペラが収録されているビデオに殺到してしまっていた。早い者勝ちになってしまい、中には1ヶ月以上してからようやく借りられるといった状況も発生していた。
それを解消するために、図書館のAVコーナーでは映像をライブラリーからオンデマンドで閲覧できる形に変える必要があったのだ。
「このMEDIAEDGEのシステムを使えば、必要なものを待たずに見られるので学生にはメリットですよね」(高橋氏)

【映像を利用した遠隔授業の体制も確立】

情報センターであるDoプラザ閲蔵によって、学内LANを統括して管理できるようになったことで、図書館での映像利用の利便性が向上したのとともに遠隔授業などを行う体制も整えられた。
同朋学園では、授業で利用するためのSTBを3台、持ち運び専用として導入し、さらに持ち運び用のプロジェクタとスクリーンも用意している。
「LANがつながっているところであれば、セットトップボックスを持ち込めばどの教室でも利用可能です。ほとんどの教室には、モニタテレビがありますし、そうでなくてもプロジェクタを持ち込めばいいわけです」(高橋氏)
また、大ホールにLEB(ライブエンコーダボックス)を設置し、ライブ映像を学園内の各所に配信する仕組みも同時に採り入れた。「有名な方が来て、ホールに観客が入りきれないような場合にこのシステムを使いたいと考えていました。Doプラザ閲蔵がオープンしたときには大江健三郎さんに大ホールで講演をしていただいたのですが、ビデオカメラとライブエンコーダを使って生中継を行いました」(高橋氏)

【ライブラリーの充実とキャンパス間でのやり取りに期待】

「LANでつながる」「オンデマンドに対応」「セットトップボックス型」という条件で探し出したMEDIAEDGE。「こういうコンセプトで作っているものは他にはないのではないですか」(高橋氏)と、MEDIAEDGEの独自性と機能を高く評価している。
Doプラザ閲蔵では、今後の展開としてライブラリー素材の充実を第一に挙げている。
「音大で行う演奏会などはビデオを撮るのですが、テープのまま置いてあるという状況だったのです」(高橋氏)
「いままでの講演会などを映像ライブラリーとして取り込めば、学園の資産になると思っています。オンデマンドで好きなときに見られるようにしたり、時間を決めて上映したりしていきたいですね。」(山本氏)。
さらに名古屋キャンパスと小牧キャンパスとの間で、新たな試みができないかどうかの検討もされているそうだ。
「小牧の美術大学では、情報系のメディア造形という形で動画作成も行われるようになってきています。例えば、小牧キャンパスで映像を作り、名古屋キャンパスでは音楽を作るといった、コラボレーションもできるようになりますよね」(山本氏)

【システム構成図】

学校法人 同朋学園 http://www.doho-group.ac.jp/etsuzo/
(本拠地:愛知県名古屋市)

名古屋市中村区に本拠地を置く学校法人。同朋大学、名古屋音楽大学、同朋高等学校、同朋大学付属同朋幼稚園がある名古屋キャンパス、名古屋造形芸術大学、名古屋造形芸術大学短期大学部がある小牧キャンパスにより、芸術面に注力した学園運営を行っている。