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[拡張設定]では、3D関連の動作モードを変更することができます。使用中フリーズするなど動作が不安定な場合、[拡張設定]の各項目を変化させることで問題が回避できることがあります。これらの設定は、使用するマザーボードのAGPドライバやBIOSとの組み合わせに応じて行う対処法となります。
●General
- MemorySetting
オーバークロックに関するセッティングです。出荷状態では、グラフィックチップおよびメモリの最高仕様にセットされています。ご使用者の責任で更なるクロックアップが可能です。しかし、ビデオボードはCPUほどはクロックアップの恩恵を実感できないので無理に上げる必要はありません。ビデオボードは実時間に同期して動作しているためクロックをあげると各部の動作チューニングに影響が出て悪影響が出る可能性もあります。
●DirectX Compatibility
- Options
- Enable Fog Table Emulation
遠景になるにつれて霧がかかったように見せる手法をFogと呼び、この霧のかかり具合に対する手法の変更が行なえます。
- Adjust Z-buffer depth to rendering depth.
3Dの奥行きを表現するためのメモリ領域の設定で、アプリケーションによって最適化することにより、高速に動作させることができます。
- Use DirectX6 Compatibility Mode
DirectX、(特にDirect3D)は7以降でかなり大きな変更が加えられているため、DirectX6の時代以前に作成されたアプリケーションは、解釈の違いで誤動作する場合があります。古いソフトで問題が出る場合にはこのチェックを入れるとで回避されることがあります。
- Texel Alignment
FinalFantazyなどのゲームで画面中に白い網目がでる(ポリゴンの基準座標が異なる)ようなアプリケーションで設定します。
- Antialias
3Dの物体が動いている場合に、斜め線ギザギザを消すのに有効な手法です。この設定をあげすぎると、画面はやけて、パフォーマンスにも影響が出ることがあります。
●D3D Performance
- Options
- Wait After blit
通常ビデオボードはCPUのバックグラウンドで動作していますが、非常に高速な描画で表示に支障が出る場合は、このチェックを入れると描画の終了を待ってからCPUに処理を渡すようになります。
- Wait for Vsync
パソコンの表示画面は1秒間にリフレッシュレートの回数だけ画面に表示されます。たとえば70Hzなら1秒間に70回画面表示を行います。パソコンの画面上のラインから順番に表示をして一番下のラインが表示されしばらく休憩時間(Vsync期間)をおいて、また上のラインから表示がはじまります。ゲームなどの表示には少なくとも2画面以上の画面を準備し表示とビデオボードの書き込みは別の画面に対して行われますが、このオプションを設定すると次の画面への切り替えはこの休憩時間に行われます。もし表示時間中に切り替えを行うと描画の様子が見えてしまってぎくしゃくした表示になります。 しかしCPUなどのパフォーマンスが不足している場合は逆効果になることがありますので、その場合はチェックをはずしてください。
- Prerender limit
ビデオボードの表示メモリに余裕があれば、先の場面を描画しておくことが可能です。しかし、ユーザーの操作によって場面変更が行われないようなアプリケーション(つまりベンチマークソフト)には非常に効果が高いので、制限をつけてあります。ベンチマークソフトによってはこの値を上げると警告を出すものもあります。
- PCI Texture Memory Size
PCIのシステムにだけに有効な設定です。PCIの場合3DのオペレーションのサポートはAGPほどは無いためこのような設定が必要になります。システムメモリの容量や、パフォーマンスが引き替えになるが、この値を変化させることで3Dソフトが安定に動作する場合があります。
- MipMaps
コンピュータによる3Dは多くの場合、三角形の平面(ポリゴン)を組み合わせた多面体にテクスチャという2次元の画像データ(テクスチャ)を張りつけた構造になっています。テクスチャは物体が画面から遠くなるほど小さくなりますが、すべてのサイズにおいて最大サイズのものから演算して作成するのでは無く、前もって準備したサイズの異なるテクスチャを使おうという手法がMipMapsとなります。この設定はパフォーマンスと画質が引き替えになります。
●OpenGL,OpenGL2
OpenGLのアプリで不具合が出た場合に、以下の設定をON/OFFすることで、ある程度の対応が可能となります。またこれらの設定は画質とパフォーマンスが引き替えになります。パソコンにおけるOpenGLは、アプリケーション+専用ビデオボードといった状況から進化してきたので、まだまだ汎用性が低いのが現状です。
- Enable OpenGL Hardware acceleration
- Enable Buffer region extention
ドライバで表示メモリ管理に関するOpenGLの拡張命令を使用する
- Allow the dual planers extention
Enable Buffer region extentionが有効の場合に描画に2画面を使用する
- Use fast linear mipmap
高速リニアミップマップ(簡易的だが高速なmipmap手法)のON/OFF
- Enable Anisotropic Filtering.
- Enable Altimate depth buffering technique
16bit色のアプリケーションの奥行き処理手法の変更
- Enable full scene antialiasing
- Support for Enhanced CPU instruction.
- Default_color depth for texture
- Buffer flipping mode
画面切り替えの手法の指定
- Use Block Transfer データ転送による切り替え
- Use page flip ハードウェアによる切り替え
- Auto-select 上記の手法の自動選択
- Vertical sync
D3D PerformanceにおけるWait for Vsyncに同じ
●AGP設定
SPECTRA起動時の設定で、AGPに関する設定が殆ど集約されています。また、これらの設定はBIOS-ROMに記録されるため(ABS2000)、リファレンスドライバにおいても最後の設定が有効となります。
- Enable side band Addressing
AGPには通常使用する32bitのデータバスの補助用として8bitのデータバスが準備されており、この補助データバスを使用するデータ転送がside band Addressingと呼ばれています。 正常動作すれば転送速度を上げることができますが、マザーボードの設計やチップセットとの相性、温度などの動作環境によって、正常動作しない場合もあります。3Dの動作が不安定といった場合にはまずこのセッティングを変更してください。パフォーマンスに対する影響はもっとも少ない設定です。なお、SPECTRA F11/F11 PE32では、これをサポートしていません。
- Enable Fast Write
AGPの高速転送はシステムメモリとビデオボード間でのみ使用可能で、CPUからビデオボードへの直接アクセスには適用されません。このFast Writeを使用するとCPUからのアクセスが高速化されるという思想で作られた機能ですが、実際にこのようなアクセスは非常に少なく効果が無かったため、この機能をサポートしているマザーボードは減っているようです。
- AGP Transfer Mode requirement
システムに対するビデオボードからのAGPの転送クロック倍率の設定が可能です。あくまで「設定要求」であり、AGPドライバやBIOSの仕様にもとづいて設定値が決定されます。
3Dの動作が不安定な場合に設定を変更することで回避できることがあります。
- Disable AGP Command DMA
この設定でSPECTRAに対するプログラムの転送方式を変更することが可能です。AGPのデータ転送では、基本的にバスマスター(DMA)モードが使用されますが、SPECTRAに搭載されているnVIDIA社製のビデオチップでは、動作に必要なプログラム(command)もこのバスマスターで高速転送することが可能です。テクスチャなどのデータは、多少マザーボードからの転送障害があってもゲームの進行には影響はありませんが、プログラムの場合はハングアップなどの致命的な障害をきたす場合がありますので、動作に支障がある場合はこの設定をチェックしてください(多少パフォーマンスは犠牲になります)。
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