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ProCoder3 目的別設定の手引き書

ここでは、ProCoderを活用するための基礎知識を説明しています。

 
1. なぜProCoder3を使うのか

  • ワンソース・マルチユースを効率よく

    出来上がったばかりの映像は、Windows Media VideoやMPEG2といった最終視聴形式に変換することによって、多くの方々に配布することができます。これらの工程を行う場合、一般的には編集ソフトウェアに内蔵されるエクスポート機能や、各映像コーデックベンダーが提供するツールを使って、個別に映像ファイルを作ることが一般的と言えるでしょう。

    例えば映像を1本編集してテレビやビデオパッケージ用としてオーサリングすると同時に、Web用に2つのバンドワイド(例えば2Mbpsと500Kbps)のWindows Media Videoファイル、CD-ROM用に1つのMPEG1ファイル、Flashに組み込むために2つのFLVファイル、というように5つのターゲットを準備する必要があった場合を考えてみましょう。

    ソースファイルが1つであれば、5回の作業を編集ソフトウェア上で繰り返せば良いだけですし、完パケの映像ファイルを個々のエンコーダーに通せば良いだけですので、あまり手間は掛かりません。しかし、ソースの映像が5つある場合には5×5=25回もの作業を、各ソフトウェア上で繰り返さなければなりません。一度に1つのターゲットしか作成できないため、ファイル生成時間は膨大なものとなるでしょう。これでは、効率的な作業ができるとはいえません。

    これに対してProCoder3は、強力なバッチ機能を内蔵しており1回の操作で何十種類もの映像ファイルをまとめて生成する事が可能です。変換クオリティは各コーデックベンダーが提供する変換エンジンと同一であり、最小の設定時間で、最高の映像クオリティが得られます。ターゲットファイル数が増えても、ProCoder3に装備されたマルチスレッド機能によりCPUコア数に応じて同時に複数のターゲットファイルを生成します。

     また、ProCoder3はEDIUS Pro4の外部プラグインとして動作することが可能です。これによりEDIUS Pro4から直接、タイムラインをProCoder3に渡す事ができます。EDIUS Pro4で素早い編集を行った後、ProCoder3の存在を感じることなくWeb用、DVD用、プレゼンテーション用といった複数の最終形態映像ファイルを同時に得る事が可能となるのです。

     不思議ですが、ProCoder3を手にするとフォーマット変換作業が非常に楽しく思えるようになります。これは、ProCoder3の画質の良さと、使い勝手の良さに起因しているものと考えて良いでしょう。目的に適った多くのターゲット設定が含まれており、そのままでもすぐに活用することができる他、ご自分で作られた設定をプリセットとして保存することが可能です。

 
2. EDIUS Pro version 4との連携

  • 編集完了から即、エンコード

     EDIUS Pro version 4には、映像クリエイターの作業効率を高めるためにProCoder Express for EDIUSがハンドルされています。ProCoder Express for EDIUSはProCoderのサブセット版となっており、ProCoderの一部機能が実装されています。

    (EDIUS Pro version 4では、ProCoderのサブセット版であるProCoder Express for EDIUSを使って、WMVやQTに変換することが可能です。ProCoder3の強力なバッチ変換機能は、Express版には含まれて居ません。)

     EDIUS Pro version 4の入った環境にProCoder3をインストールすると、ProCoder Express for EDIUSと同様の方法でProCoder3を呼び出し、映像クリップを渡すことができます。ProCoder3は強力なバッチ機能を備えているため、ProCoder Express for EDIUSとは若干操作が違いますが、ほとんどの概念は同一であり、映像クリエイターは最小の時間で操作を習得する事ができます。

     これにより、映像業界の主流である「ワンソース・マルチユース」の主要部分をEDIUS Pro version 4とProCoder3の組み合わせで完結でき、または既存の映像ファイルをProCoder3に流し込むことにより、映像制作に係るコストと時間の大幅な削減が可能となります。

 
3. ウォッチフォルダの活用

  • 意識することなくエンコードを

     ProCoder3にはもうひとつ、ウォッチフォルダ機能が搭載されています。 ウォッチフォルダ機能は通常の使い方とは全く異なり、初期設定を行うだけで自動的に変換エンジンがWindowsXPに常駐する、ちょっと変わった機能です。この機能を使うと、ProCoder3の変換プロセスを意識することなく、変換後の映像ファイルを手に入れることが可能になります。具体的に見ていきましょう。

     ウォッチフォルダを使う際は、ウォッチフォルダマネージャを使って「ターゲットファイルのプリセット」を1つまたは複数個、設定してください。ご自分で作られたプリセットも設定可能です(上図)。また同時に「ウォッチフォルダ」(ソースフォルダのこと。図中ではD:\Watch)と「ターゲットフォルダ」(図中ではD:\target)も設定します。これで、準備は完了しました。D:\Watchフォルダに映像ファイルをコピーしてみましょう。しばらく経つと、D:\targetフォルダに変換後の映像ファイルが出来上がっています。

     このように、ウォッチフォルダ機能は特定フォルダを監視して、ProCoder3の変換機能を自動的に制御し、目的のターゲットファイルを次々と作ります。 ユーザーによっても機能の使い方は変わってくるでしょうが、主にこの機能には2種類の使い方があります。

    ひとつは、「複数のワークフローやマシンで作った映像を逐次、ターゲットファイルに変換」するもの。オペレーションの上で、ProCoder3の使い方を学習する必要はありません。ただフォルダにファイルをコピーすれば、次々とターゲットが出来上がります。
    もうひとつはWebサーバーなどと組み合わせて、「ユーザーがアップロードしたファイルを自動的に別の形式に変換」する使い方です。例えばWindows Media VideoやQuick Time形式でアップロードされたファイルを、一律のFLVやSWFに変換することが可能です。

     これらの機能はネットワークドライブにも対応していますので、Windowsのファイル共有サービス(CIFS)を活用して、ターゲット、ソースのそれぞれをネットワーク上の他のマシンやNASに割り当てて作業を行うことも可能です。

 
4. 映像エンコードの実際

  • コーデック選択

     映像ファイルは、何の圧縮処理も施していない「非圧縮ファイル」と呼ばれる状態が最もクオリティが高いとされています。しかし非圧縮ファイルは容量が非常に大きく取り扱いにくい事も確かです。例えばYUV=4:4:4と呼ばれる最高クオリティの非圧縮ファイルでは、1秒間につきSDTV(地上波放送画角)で約30Mbyte、HDTV(ハイビジョン)では150Mbyteという膨大な容量を消費します。

     DVDやBluRay/HD-DVDでは1枚のメディア容量が決まっており、この容量の中に映像を納めなければなりません。またインターネットによる映像ストリーミングでは、常にサーバー側が持つ回線帯域と最高同時視聴者数、及び利用者の回線帯域などを考慮して、常にベストな状況で映像を送り出す必要があります。ほかに、容量のみならず利用者の環境に応じたベストな「圧縮コーデック」を選択する必要もあります。

     圧縮コーデックには数多くの種類が存在していますが、現在、頻繁に使われているものは数種類に集約されます。それぞれに再生プラットフォームや得意とする映像などに違いがあります。

     しかし、1本の映像を複数のコーデックに変換し、しかもWeb用では複数個の帯域用に圧縮率を変更する…という現実を考えると、例えば1ソースファイル×3圧縮コーデック×3帯域=9種類の映像ファイルを作る必要があり、その作業は膨大なものになります。  これを一手に引き受けるためのソフトウェアが、カノープス・ProCoder3なのです。

    ProCoder3は、EDIUS Pro version 4と同様にマルチスレッド処理に対応しています。これにより、複数のセッションを同時に変換することが可能であり、複数コアを搭載したCPUやマルチCPUのシステムにおいて、マシンパワーを最大限に発揮した変換処理を行ないます。

  • 的確な設定

    本サイトでは、ソース映像ファイルをターゲット映像ファイルに変換するに当たっての個別設定についての検証例を記載しています。設定はNTSC(主に日本とアメリカで用いられているビデオスタンダード)を基本としていますので、ソース映像またはターゲット映像としてPAL(ヨーロッパ圏)方式の映像ファイルを扱う場合には、必要に応じて設定項目のNTSCをPALに切り替えてください。NTSCとPALの相違点は主にフレームレートとアスペクト比(ビデオ/ピクセル)です。
     また、ここで検証を行った設定は、ターゲットプリセットだけでは不十分と思われる内容についてです。ここに記載されている情報以外については本書の内容も参考にして、ProCoder3のマニュアルを参照してください。

     個別設定については、必要に応じて複数の設定をProCoder3にバッチ処理設定し、一度に変換させることが可能です。
    例えばHDTVサイズ30分の映像ファイルを

    ・ Web-ブロードバンド用高品質映像:Windows Media Video 1280×720ドット 6Mbps
    ・ Web-ブロードバンド用標準品質映像:Windows Media Video 640×360ドット 2Mbps
    ・ Web-ナローバンド用低品質映像:Windows Media Video 160×90ドット 56Kbps
    ・ CD-ROM収録用高品質映像:Quick Time Video 1280×720ドット 8Mbps
    ・ Flashゲーム用SWF映像:SWF 640×360ドット 2Mbps

     の5つに変換すると考えましょう。

     一般的には設定毎に出力していきますので、「設定」「変換待ち時間」「設定」「変換待ち時間」…と10個のプロセスになりますが、ProCoder3のバッチ機能を使えば、「複数の設定」「変換待ち時間」という2つのプロセスのみで5つの映像ファイルが得られます。

 
5. まとめ

     プリセットを使うだけでも、高画質のターゲットファイルが取り出せるのが、ProCoder3の特徴です。しかしそこに少し手を加えると、映像の内容…例えばゆっくりした高精細な画像や、スピーディーな動きの画像に合ったオリジナルプリセットができあがります。

     これらのオリジナルプリセットは、一度パラメータを決めてしまえば次からは簡単なステップで呼び出すことが可能になっており、業務使用はもとより、SOHO環境での使用でも絶大なパワーを発揮してくれるでしょう。

     これが、「ProCoder3はプロフェッショナル仕様の画質と操作性」と言われる由縁でもあります。




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