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「ガンダム クライシス」の魅力 −宇宙世紀のガンダム・ワールド!まさにその場所に自分がいる!

2007年7月のオープン以来、富士急ハイランドの「ガンダム クライシス」は、高い人気を誇る新感覚のアトラクションです。世界初の実物大フルボディのガンダムが来園者を待ち受け、また、そこで展開される時間制限ミッションクリア型ゲームは、ガンダムファンはもちろん、ガンダムを知らない人たちまでをもガンダムワールドの虜にしています。まずは、その企画がどのようにして生まれたのかから、聞いていきましょう。

Q:「ガンダム クライシス」の企画はどのようにして生まれてきたのですか?

渡部氏:2006年12月に幕を閉じた「ガンダム・ザ・ライド」というアトラクションがあったのですが、それが非常に好評だったので、引き続きガンダムのアトラクションやっていこう、ということになりました。ガンダムはもともと映像作品ですから次のガンダムも当然映像を効果的に使いたいと考えていました。ただそれだけでは前のガンダムと変わらないので、次の一手として実物大フルボディのガンダムを見、その世界を体感できる、というリアルなガンダム・ワールドを構築したわけです。最終的に映像と連動したゲーム形式のアトラクションとなりましたが、宇宙世紀のガンダムの、まさにその場所に自分がいるっていう実体験をして欲しかったのです。

企画部 主任 早川次郎氏 企画部 プランナー 渡部祐介氏



Q:ガンダム・ワールドを映し出す映像と実物大のガンダム、そしてゲームも楽しめる、つまり、リアルさの追求ですね?
渡部氏:リアルというのは、とても富士急ハイランドらしいのです。富士急ハイランドが他のテーマパークなどと決定的に違うところは、大きさとか高さとか速さとかが実際に体験できるところにあるのです。「ガンダム クライシス」では、それをもう一歩推し進めて新しい体験を提供したいと考えました。お客様にガンダムの世界に入ってもらい映像とゲームを楽しみながらをガンダムを堪能してもらうという、インタラクティブ性の高いアトラクションなのです。

「ガンダム」のイメージが再現された
「ガンダム クライシス」内の様子。

Q:実際のところ、お客様たちは、アトラクションをどのように楽しんでいますか?
渡部氏:ファンの方はもちろんですが、およそガンダムには興味のなさそうな中高年の人が、5回とか6回とか、リピートしてくださっているんですね。出てきたあと「もう1回、行こう!」って言ってくださるんです。企画担当してはすごく嬉しいですね。
早川氏:映像をすごくいっぱい再生しているので、1度で全部を見切れないのです。1回目はゲームで走り回って、2回目はじっくりと映像を見て、といった楽しみ方をされるお客様が多いですね。ガンダムのことをまったく何も知らない人も、知らないうちにガンダムの世界を体験して、「これがガンダムか」「ガンダムって楽しいんだな」って思っていただけるアトラクションを目指しました。実際MEDIAEDGEによる映像は、大きな効果を上げていると思います。



システムに求めていた要件と評価
−本当に魅力的な、拡張性の高いシステムだと思います

ガンダム クライシスの映像システムには、MEDIAEDGEをはじめとするカノープス製品が採用されています。アトラクションのシステムとして求められていた要件や、そこにカノープス製品が選択された理由などについて、伺ってみましょう。

Q:システムの機器などを選ばれる際に、気にかけていた点はどのようなところでしょうか?
渡部氏:実は、当初MEDIAEDGE以外の他社さんの機器でのシステム構成を考えていました。ところが、そのシステムでは、僕らの要望に本当に対応できるのか、予算は?といった不安ばかりでゴーサインを出せなかったのです。そんなときにジーベックスさんから代替案を紹介していただき、仕様や機能を検討すると、私達の悩みや不安が一気に解決することが分かったのです。それがMEDIAEDGEだったというわけです。

Q:具体的には、どのようなポイントに注目されたのですか?
渡部氏:今回の「ガンダム クライシス」では、前回のものよりも圧倒的に映像のボリュームが多いのです。映像の入れ替えなどが簡単なシステムでなければなりませんでした。MEDIAEDGEであれば、一元管理でコンテンツの入れ替えも簡単です。また、機器自体の堅牢性や拡張性はどうなのか、ということも重要でした。

Q:MEDIAEDGEなどの映像機材導入は、ジーベックス様からの提案だそうですが、その機能などの説明を受けた際、どのように感じられましたか?
渡部氏:最初に、こういうことをやりたいんですよ、ということをジーベックスさんに話したときに、それをやるのであれば、集中管理にして、こういう形にするのがベストでしょう、MEDIAEDGEというシステムがあります、とご提案をいただきました。そして具体的に機器の仕様や機能、などを教えてもらい、もうMEDIAEDGEしかないな、と思いましたね。
早川氏:たとえばリニューアルしよう、となった場合、通常ハード面での限界から、あれができない、これができないという話になるのですが、MEDIAEDGEであれば、ハード面での限界や制限が少なく、拡張性も高く、柔軟にこちらの要求を満たしてくれる機器だな、とも感じました。

Q:コンテンツの入れ替えにおける柔軟性以外には、どのような点に惹かれましたか?
渡部氏:番組のプログラムが自由に作れるという利便性ですね。拡張性も高いですしね。そして、将来のメンテナンスなどを考えますと、1ヶ所で集中コントロールをしていくシステムを作っていかないと、大変になるなというのも感じていました。ただ、逆の不安もあったのです。というのは、ホストコンピューターが飛んでしまったら、全ての映像が出なくなってしまうわけでして。でも、ちゃんとサブも用意していただきましたので、安心できます。

Q:システムや機器の使い勝手について、面倒なところなどはありませんか?
渡部氏:僕らは特にいじることはありませんので、面倒くささなどを感じることはありません。運用については、正直言うと、オープンしてからしばらくは、何かしらのトラブルが起こるだろうと思っていました。無線LANに加えてRFIDも使っていますので、無線系のトラブルが出るだろうと思っていたのです。ところが、ふたを開けてみれば、トラブルは全然なかったのです。
早川氏:通信系のアトラクションは富士急ハイランドでもそう多くないので、不安な部分というのはありました。しかし、新しいことに挑戦するのは、富士急らいしいなあ、という思いも持ったのも事実ですね。



誰もが楽しめる魅力的なアトラクションが作れた理由

ガンダムを知らない人までをも惹きつける「ガンダム クライシス」というアトラクションが実現できた理由は、いったいどのあたりにあったのか、探っていきましょう。

Q:オープンしてから数ヶ月、ガンダム クライシスの評判はいかがですか?
早川氏:期待以上ではないかと思います。読売新聞をはじめとして、数多くのメディアに取り上げていただき、大きな告知になったことや「富士急ハイランドに、凄いガンダムがあるらしいね」というのが、どんどん口コミで広がっていまして、それが今でも続いています。
渡部氏:予想利用率は超えていますし、売店売り上げに至っては想定していた数字のおそらく3倍ぐらいになっていると思います。
早川氏:売店などは、アトラクションに連動して売れていきますので、前回のアトラクション以上にお客様に楽しんでもらっているな、と実感しています。

Q:新しいガンダムの聖地、それも、これからどんどん進化をしていきそうな聖地の誕生ですね。

渡部氏:前回の「ガンダム・ザ・ライド」もガンダムファンの聖地だったわけです。「ガンダム クライシス」で聖地を引き継ぐにあたり、前の方がよかった、では意味がありませんよね。結果的に前よりもはるかに評判はいいです。
早川氏:「ガンダム クライシス」では、新しい側面の1つが切り開けたと思います。富士急ハイランドでは、様々なアトラクションを作ってますが、中でも「ガンダム クライシス」は映像とゲームが融合したニュータイプの能動的なアトラクションですね。


横たわるガンダムの足の裏さえも見られる。
手前に置かれた端末と比べれば、その大きさがわかる。

Q:ガンダムの魅力、楽しさを最大限にアピールできるシステムになっているようですね。
早川氏:富士急では、ガンダムっていうコンテンツをやらせていただいて、そこでは、ガンダムに返すものがないといけないと思っているのです。うちで遊んでもらうことによって、ガンダムファンが増えたりとか、ガンダム関連商品が売れたりとか、DVDを借りて見てもらったりとか、っていう相乗効果になって欲しいと思っているのです。
渡部氏:僕らの意気込みには、そういうところがあるんですよ。ガンダムを知らない人たちにとっては、このアトラクションをやることが、ガンダムのファンになる一つのきっかけになってくれたら、って思うのです。それが、僕ら富士急からのガンダムへのお返しだと思うのです。
早川氏:そういうのは、キャラクターものをやっていく上で、一番重要な部分ではないかと思いますね。

Q:聖地ともいうべき、素晴らしいアトラクションを作り出せたのは、やはり、それに携わったスタッフのチームワークということになるのでしょうか。
渡部氏:今回のアトラクションを作り上げたチームのレベルはとても高いと思います。ジーベックスさんしかり、カノープスしかり、映像制作も造形製作もしかり。現場の職人さんも夜遅くまで頑張ってくださったりとか。ガンダムだからという面もあるでしょうが、レベルが高いチームが集まったな、て思いますね。楽しい仕事でしたね。

Q:そうしたレベルの高いチームの中で、カノープスに対する率直な評価はいかがでしょうか?
渡部氏:機材の仕様や機能はもちろんですが、カスタマイズやサポートを含め、最高でしたね。むしろ借りができちゃったんじゃないかな、なんて思います。

Q:将来、なにか新しい企画などで、ご一緒できるのではありませんか?
早川氏:ガンダムにしても別のアトラクションにしてもどんどん新しい展開を企画していきますので、また、新しいアトラクション構築でご一緒できればいいな、と思います。そういうシステムを作ってください。
渡部氏:異業種の方とタッグを組んで一緒にやるのは面白いですね。バックグラウンドが全然違いますから、発想の観点が違いますよね。こちらで考えていることが、実はとても簡単にできてしまったりといったこともありますね。またなにか、一緒にやりたいですね。



先進のテクノロジーと、ある面では対極に位置するような、アナログ的な人と人との信頼感、そして、熱意。このような信頼感や熱意が、システムに命を吹き込み、血を通わせます。今回のインタビューでは、富士急が「ガンダム クライシス」を最上級のアトラクションに仕上げていこうとする熱意と、それを支えるスタッフのチームワーク、新しい技術に常に挑戦する勇気、が如実にうかがえました。このあたりが、富士急ハイランドが長年にわたり、トップ遊園地の地位に君臨し続けている大きな秘訣なのかも知れません。



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2007年7月に富士急ハイランド内にオープンした「ガンダム クライシス」は、VQディバイダーを手に、制限時間内にミッションをクリアするという体験型アトラクション。機動戦士ガンダムのファンにとっては、まさに、聖地といえる場所になっている。フルボディの1/1サイズのガンダムの姿を直に目撃できる場所は、世界広しといえども、ここしかない。



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ほかでは味わえない、ドキドキの超リアル体験ができるミラクルワールドが、富士急行株式会社が運営する富士急ハイランドである。お客様に最上級の楽しみを味わっていただけるようなアトラクションの提供を目標に、常にチャレンジング、かつ、熱い思いを持ち続けたいとする同社は、新しいテクノロジーの採用にも前向きだ。

 

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