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【新しいことにチャレンジするのが日本テレビ】 − 日本テレビさんのプロフィールを教えてください。 1953 (昭和28)年の8月に日本初の民間放送の放送局として開局しました。2004 (平成16)年には、デジタル放送のために現在の汐留の新社屋「日本テレビタワー」に移りました。− 日本テレビさんの番組制作に対するポリシーを教えてください。 社訓の一つに「創意工夫」という言葉があります。これは「自分で考え、新しい事をやっていこう」という進取の気性で、二番煎じでは駄目だということです。技術面においても新しいことにチャレンジする姿勢を大切に考えています。 − コンテンツ技術運用部の業務内容を教えてください。 コンテンツ技術運用部は技術的な制作支援部署で、CG作成以外にもニュースや情報番組の編集を行う部門やデータ放送、メディア変換、リモートサブを運用する部門もあります。CG部署内は技術系とデザイン系に分かれていて、技術の人間はシステム構築や運用、デザイナーはオープニングタイトルや解説用CGの作成、アートディレクションを担当しています。 【Canopus HQ Codecの新ワークフローで作業の大幅な効率化を実現】 − Canopus HQ Codec導入の経緯を教えてください。また、国産メーカーの製品ということでのメリットは感じられますか?
従来のCG制作ワークフローでは、圧縮コーデックは使っていませんでした。しかし、連番ファイル形式の旧ワークフローでのHDのCG作成には、時間、ファイルサイズなどかなりの無理がありました。 −Canopus HQ Codecを利用した新ワークフローでの運用はいかがですか? 現在、3台のHDWS-3000MIPでCanopus HQ Codecを利用していますが、ファイルサイズが小さいので取り扱いが非常に便利です。連番ファイルを扱っていた旧ワークフローのように「待たせる、待たされる」ということがなくなり、作業の大幅な効率化が実現しました。Canopus HQ Codecを使っているクリエーターたちはとても喜んでいますよ。 − 具体的にはどの程度の効率化が実現されたのでしょうか?
旧ワークフローではまるまる2日かかっていた収録作業が、ほんの1〜2時間で済んでしまう、という嬉しい状況です。制作サイクルが非常に短くなり、より沢山の作品が作れるようになりました。これは、Canopus HQ Codecベースの新ワークフローのおかげです。大きな進歩です。 − Canopus HQ CodecはHD時代にも戦力となりそうですか? もちろんです。2011年の7月からは、完全に16:9のデジタルの世界になり、ハイビジョン比率が100%に近づきます。つまり、HDであってもSDと同等以上の制作効率にしていかなくてはなりません。このような状況下で、Canopus HQ Codecを利用した新ワークフローは非常に取り回しが良いのです。ハード面への設備投資が難しい昨今、ソフトウェアのコーデックによって制作効率が上げられるというのは、非常に喜ばしいことだと思います。
【様々な圧縮コーデックを実際に比較・検証】 − 藤井さんの業務内容を教えてください。 番組のオープニングタイトルなどのタイトルワークや、画面にスーパーされるものなどを主に作っています。夕方の「NEWS リアルタイム」の一連のタイトルワークやサッカーや野球中継の得点表示などですね。 − 「CGは非圧縮」との考えが主流だったと思いますが、そこに圧縮コーデックを導入したきっかけを教えてください。 SDの時代には「非圧縮が絶対だ」と思っていました。しかし、SDからHDになったときに非圧縮での作業ではスピードが遅すぎたのです。2004年の新社屋への移転以降は、HDのCGを作る比率が増え、速度面の課題はどうしても解決しなくてはならなかったのです。 − では、旧ワークフローでは具体的に、どのように作業をされていたのでしょうか?
旧ワークフローでは、ディスクレコーダーという非圧縮連番ファイルベースのシステムを使っていました。そのシステムでは、テープからPC側にファイルを持ってくるために、一度そのディスクレコーダーに収録し、そこから一枚一枚連番ファイルで取り出して転送しなくてはなりませんでした。 − そこで、ワークフローの刷新を考えられたわけですね? そうです。新ワークフローのキーは圧縮だと考えました。そこで圧縮コーデックを「きちんと品質を調査しようじゃないか」となったわけです。様々な圧縮コーデックを検証した結果、Canopus HQ Codecで圧縮した画像は放送品質としても十分に使えることがわかり、Canopus HQ Codecベースの新ワークフローを構築することになったのです。 − 圧縮コーデックに求めていた条件は何だったのでしょうか? 画質はもちろんですが、ファイルサイズが小さく、作業の効率化を可能にするコーデックでなければなりませんでした。また、CG制作ではアルファチャンネルを多用しますので、ファイルにアルファチャンネルを埋め込めることも必須条件でした。これらの条件を全てクリアしていたのがCanopus HQ Codecだったわけです。 【画質をはじめ、すべての条件に満足。作業時間も半分以下に効率化】 − 検証の結果、Canopus HQ Codecが採用されたわけですが、画質についてはいかがでしょうか? クロマキー素材を使って、非圧縮画像とCanopus HQ Codecで取り込んだ画像とを比較・検証しました。非圧縮画質を「10」とすると、Canopus HQ Codecによる圧縮後の画質は「3とか4」くらいだろうと予想していました。それが、実際には非圧縮の「10」に対して体感で「8」以上のクオリティが出ていました。これは、放送品質に十二分に耐えうる画質です。「Canopus HQ Codecを標準にしてもよい」という結論に至りました。 − ファイルサイズはいかがでしょう?
実写映像もCGのレンダリングも、非圧縮に比べファイル容量が大幅に小さくなります。これまでの非圧縮連番ファイルベースの旧ワークフローに比べて、ディスクスペースが有効に使えるようになりました。非圧縮では非現実的だったアーカイブ化も検討可能です。すでに一部ですがCanopus HQ Codecでエンコードして、あとからすぐに閲覧できるような状態にしています。 − 新ワークフローは、旧ワークフローと比べどの程度の効率化が実現されていますか? Canopus HQ Codecベースの新ワークフローでは、ほぼリアルタイムでの取り込みができるようになり、さらに取り込んだAVIファイルはそのまま扱えますから効率アップは顕著です。旧ワークフローでの作業に比べて新ワークフローでは半分以下の作業時間になりました。半分の時間で作業ができるということは、倍の仕事ができるということです。品質のよい圧縮ができるコーデックを使うことは、非常にメリットがあると思っています。 【軽快に作業できる環境こそ、クリエイティブワークには大切】 − 他の圧縮コーデックと比べて、Canopus HQ Codecならではの特筆点などはありますか? 様々なコーデックを試してみた中で、一番安定していたのがCanopus HQ Codecでした。Canopus HQ Codec、EDIUS、端末機も含めたシステムとして非常に安定しています。他のシステムでは編集ソフトとハードウェアが別メーカーで、コーデックはハードウェアに紐付いる場合が多く、何かトラブルがあったときの問題解決がしにくかったのです。現場では実際にそうした苦い経験をしていますので、Canopus HQ Codecを含めたEDIUS のシステムには十分に満足しています。 − 国産製品ゆえに体感された良さなどはありますか? アルファチャンネルが付いたCGを納品する際に、フィルとキーを同時に同じタイムライン上に収録したいと考え、トムソン・カノープスに依頼して新しいプラグインを作ってもらいました。こういったことは海外のメーカーでは考えられないことですね。打ち合わせも何度も重ね、僕らの仕様・手法を汲み取っていただき、それらを実現していただきましたから、非常にありがたかったです。 − CG制作においては、自分のイメージをどのようにして具現化するかが大切かと思うのですが、同じような現場に対してCanopus HQ Codecに関するコメントをいただきたいです。
技術は当然必要です。しかし、本当に一番大切なのは技術を感じさせないことだと思います。HDであろうとSDであろうと軽快に作業できる環境を整えていくことが、クリエイティブワークにおいては多大なメリットをもたらします。ですからCanopus HQ Codecを使うことは、みんなにメリットがあると思います。 − Canopus HQ Codecは導入の価値がありますか? Canopus HQ Codecベースの新ワークフローは、クリエイティブワークに多大なメリットをもたらしてくれました。うちのワークフローは決して特別な仕様ではありません。どこの放送局や制作会社にも導入できるものです。お勧めできますね。
【Canopus HQ Codec の新ワークフローは、作品の質の向上にも貢献】 − 古川さんの業務内容を教えてください。 オープニングタイトルの制作が一番多いです。「ザ! 世界仰天ニュース」の解説用CG なども担当しています。 − 新ワークフローにより仕事に変化はありましたか? SDからHDになるとデータが7倍近くになります。旧ワークフローでHDを扱うとデータ量の問題から複数の素材を使えませんでした。そのため、少なめの素材でCG上で完成度を高めるというスタイルでしたが、Canopus HQ Codec導入により、HDであってもCG素材や実写素材などを数多く使えるようになり作品の完成度も高まりました。 − 新ワークフローは作品の質の向上にも繋がったとのことですが、実際にはどのくらいの効率アップが達成されているとお感じですか? 非圧縮のHD映像ではプレビューがほとんどできませんでしたが、Canopus HQ Codecでは軽快なプレビューが可能です。確認作業もはかどります。また、データのやり取りの待ち時間もかなり減っています。旧ワークフローに比べ1/3以上の時間が短縮されていると思います。 − Canopus HQ Codecに対する画質面での評価はいかがですか? 放送品質として申し分ないです。非圧縮画像と比べてもほとんど差がないと感じています。また中間作業用コーデックとしても十分に満足のいく画質です。例えばグリーンバック素材などでは、実写素材はデータが重く尺も長いので、Canopus HQ Codecで変換したあとにマスク素材を作っているのですが、綺麗に合成することができます。 【Canopus HQ Codecは、扱いやすい信頼性の高いコーデック】 − 他の部署や周辺のプロダクションでもCanopus HQ Codec を使うようになると、いっそう、フローが効率化されると思いますが?
テープでの納品は時間がかかる作業です。データ納品ができるようになれば、すごく魅力的ですね。今後、Canopus HQ Codecがもっと広まって、お付き合いをしているプロダクションの方々にもCanopus HQ Codecで納品していただければ、お互い、よりスムーズに作業ができるようになると思います。 − 総括して、Canopus HQ Codec の魅力はどこでしょうか? 最大の魅力は、Canopus HQ Codecのデータは非常に軽い、ということです。素材のハンドリングの軽さが効率化のアップや作品の完成度の向上に直結しています。また、Canopus HQ Codecは納品用ファイルでも中間用ファイルでも、どちらにも対応している、扱いやすくて信頼性の高いコーデックだと思います。
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