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テレビチューナーユニット
MTU2400F
パソコンを手軽にテレパソに変えてくれるテレビチューナーユニット。
最大の特徴は、USBでパソコンと接続できるというところ。持ち運びも可能な大きさなので、ノートパソコンと組み合わせてのモバイルテレパソ環境の構築にはもってこい。
手軽でありながら、映像品質については「3D Y/C分離」「3D ノイズリダクション」「10Tap ゴーストリデューサー」などの各種機能が搭載され本格的。
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据置型のテレビチューナーユニット「MTU2400F」が我が家にやって来た。以前「こちら」でお伝えしたテレビチューナーは、パソコン内部に増設する基板タイプの「MTVX2004」だった。今度はその据置型というので、はたしてどのような物なのか、ちょっと期待していたのだ。
さっそく箱から取り出してみると、思ったより大きいなという第一印象。つや消し黒一色のボディには、全面に放熱用のためと思われるスリットが開いており、少し無骨な印象だ。
まずは、デスクトップパソコンに取り付けていた基板型のテレビチューナー「MTVX2004」を取り外す。「MTU2400F」はUSB接続タイプなので、接続は簡単だ。
ただし基板型と違い、コンセントから電源を取らなくてはならない。今、私のパソコン環境は、デスクトップパソコンが2台、モニタが2台、そしてノートブックパソコンが1台。その他にADSLモデムとか、ブロードバンドルーターなどが渾然となっているという状態。当然、コンセント周りはいつも大渋滞だ。
こんな時は、コンセントを使わない基板タイプはありがたい。どうせUSBで接続するんだから、電源もUSBから取れれば良かったのに、という思いが、ちらと頭をかすめる。
この「MTU2400F」も、ソフトウェアにはFEATHER2004を使うという。「MTVX2004」の時に、すでにインストールしてあったので、そのまま使えるかなあと思いつつ、とりあえずパソコンを起動。FEATHER2004を立ち上げるが…… 映らない。甘かったようだ。同じソフトウェアなのになあと思いつつインストールしなおすと、テレビ画面が表示された。
使い勝手は、「MTVX2004」と変わらない。テレビのリモコンを模したインターフェースは直感的で分かりやすい。テレビ録画もクリック一発で行えるし、静止画キャプチャも一発だ。この辺の使い勝手は特に文句の付けようもない。
ところで、「MTU2400F」のマニュアルをパラパラとめくっていて始めて気がついたのだが、「タイムシフト」とかいう録画機能があるらしい。これは、あらかじめONにしておけば、一定のバッファ容量分の映像を常に録画しておいてくれるという機能。バッファが一杯になると、記録されていた古い映像が順次消されていきながら、次々と新しい映像を録画してくれるという。
これが、めちゃめちゃ便利。野球やサッカーの中継の時など、見始めにONにしておけば、途中でトイレに立とうが、電話が鳴ろうがお構いなし。あとですぐに再生して、見られなかった部分をチェックできるのだ。
もしやと思い「MTVX2004」を調べてみると……、同じ機能が付いていた。知らなかった、こんな便利な機能があったのね、カノープスさんごめんなさい。
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やはりMTU2400Fにはノートパソコンが一番良く似合う |
で、またマニュアルを読んでいてふと思いついた。この「MTU2400F」にも、ビデオとサウンドの入力端子があり、ビデオデッキやビデオカメラなどを接続して、パソコンモニタに映すことができる。
ということは、ここにゲーム機を接続したら、パソコンモニタに映せるかも。思い立ったが吉日ということで、すぐさまPlayStation2を接続し、どきどきしながらゲームを起動してみると、これまた至極あっさりとパソコンモニタに表示された。
ただし、映る事は映るしプレイも問題なく行えるのだが、いかんせん反応が遅い。コマンドを選択して決定ボタンを押すという動作に、パッドのボタンを押してから、画面の表示にそれが反映されるまで2テンポくらい遅れるのだ。これではいかんなあ思案しつつマニュアルを見ていると、「ダイレクトプレビュー」という項目に気がついた。この機能をONにしておくと、入力された映像信号を、MPEG圧縮せずパソコンに通してくれ、実放送とモニタ画面との遅延を可能な限り無くしてくれると書いてある。
それではということでONしてみると、たしかに遅延が無くなった。パッドのボタンを押すとすぐに反映され、ごく普通のプレイが可能になった。だが、今度は音が出ない。どうやらダイレクトプレビューをONにした時は、音声は「MTU2400F」の背面にある音声出力ジャックから出力されるということで、こことパソコンのサウンドカードなどの音声入力を接続するか、あるいはヘッドフォンを使用しなければならないようだ。やはりテレビゲーム機はテレビで使えということなのかな、ちょっと残念。
さて、しばらく使ってみて「MTU2400F」の良さは、何といってもUSBによる簡単接続、これに尽きるだろう。パソコンの筐体をあける必要が無いというのは、やはり便利である。しかも、ノートブックタイプのパソコンにも手軽に接続して、テレビ鑑賞ができるというのは、とてつもなく大きなアドバンテージだ。
ただ、持ち運びに便利と言い切れない大きさなのがちょっと残念。重さの方も、約600グラムということで、すこしずっしりと感じる。昨今のモバイルタイプのノートブックパソコンには、1キロを切るようなものも現れていることから、もう少し軽くて、かつコンパクトならばよかったのにと思う。
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同梱されている、MPEG編集ソフトの「MpegCraft LE」。
録画したテレビ番組のCMカットなどは、あっという間だ |
それに、持ち運んだとしても結局アンテナ線を接続しなければテレビが見られないのでは、持ち運ぶメリットも薄れてしまうと思う。本体にアンテナを付けるとか、アンテナ線を接続した親機から無線で映像を飛ばすとかできたらもっと良かったのだが(まあ、これはカノープスから別に発売されている「HomeEdge」という、家庭内でメディアサーバーを構築するソフトウェアと、無線LANの組み合わせで実現できるのだが)。
結局、基板タイプの「MTVX2004」と、据置型の「MTU2400F」のどちらが良いかというのは、使う人の環境によって大きく左右されるので一概には言えないものの、デスクトップパソコンをメインで使っている人には、「MTVX2004」が、ノートブックパソコンをメインに使っているという人には「MTU2400F」が、お薦めであるというごく当たり前の結論に落ち着いた。
ちなみに、この「MTU2400F」にも、MPEGムービー編集を簡単に行えるソフトウェアの「MpegCraft LE」が同梱されているので、録画したテレビ番組のCMカットなどは簡単に行える。別途ムービー編集ソフトを購入する必要が無いところは、財布に優しい、嬉しい配慮だ。
「MTVX2004」のページでも書いた事だが、テレビ番組がパソコンで見られるというのは、思いのほか便利だ。まもなくオリンピックも始まる事でもあるし、ボーナスの使い道の一つにテレビチューナーを入れて、この夏こそテレパソ環境を実現してみるのはどうだろうか。
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