Canopusからの提案 Canopus


写真集や名盤レコードのような「上質の映像ソフト」にこだわるレーベル

DVDの本格的な普及によって、映画やアニメ、音楽、スポーツにとどまらず、映像ソフトのジャンルは大きく広がっている。

宇宙天文などの「サイエンス」もの、世界遺産や空撮、夜景など国内外の「風景・紀行」もの、水中映像や森などの「ヒーリング」もの、犬や猫などの和み系「動物」もの、野鳥や昆虫などを機能的に検索できる「映像図鑑」など、趣味教養・環境映像(BGV)・ネイチャードキュメンタリーといわれるジャンルの作品を次々と制作しリリースしている映像ソフトメーカーがある。それが、今回ご紹介する「シンフォレスト」だ。

シンフォレストの成り立ちや概要、実際のソフト制作におけるEDIUSの導入状況、今後の展望まで、取締役プロデューサーの工藤氏と広報スタッフ、制作スタッフの皆さんにお話を伺った。


1994年以降、CD-ROMから続くマルチメディアの草分け的ブランド

1990年代はじめ、一般家庭へのパソコンの普及やCPU、OSの進化によって、それまでは音楽のみを記録する存在だったCDに、画像やテキスト、プログラムなどを組み込むことができるようになる。

そんな技術的な背景を受けて「従来の“紙の写真集”と“音楽CD”を融合させてしまおう」というプランが立ち上がる。

パソコンの画面いっぱいに広がる北海道の雄大な風景と、流れてくるアコースティックな音楽。パソコンで鑑賞する“新しい形の写真集”の出現によって、無機質なイメージのあったパソコンに有機的な魅力を持ち込んだ。
この『美瑛・富良野』発売以来、10年以上にわたって「マルチメディア」を体現してきたレーベルこそ、シンフォレストである。

「素晴らしいビジュアルやサウンドに心動かされた時のみずみずしい感動を、最良の形でエンドユーザーに届けたい」とのコンセプトは、ビジネス的にはいささか純粋過ぎるように感じてしまう。

しかしこの一貫したこだわりは各方面から信頼と評価を集め、“BCN AWARD”の趣味・娯楽ソフト部門で4年連続5回の最優秀賞受賞という栄誉を受けている。
1994年6月、CD-ROM『美瑛・富良野』発売。
 
主なCD-ROM作品集


70タイトルを超えるDVD作品を発表、ハイビジョン映像に注力

これまで250タイトル以上の数のCD-ROM作品集を発表してきたシンフォレストは、2000年冬、新たにDVDソフト市場に参入し、現在までに70タイトル以上ものDVDソフトを制作・発売している。
 
主なDVD作品集

従来、環境映像・ドキュメンタリーのジャンルは、“番組をそのままDVD化”、“過去のVHS版の置き換え”など、いま一つ作り手の情熱が感じられないソフトが多かった。
しかし、企画から撮影、編集、デザインワーク、音楽制作、字幕やオーサリングフロー、広告販促物に至るまで、“いいものを創りたい”という徹底的にこだわった姿勢が、コアでニッチな分野に新しい風を吹き込んでいる。

現在は、ハイビジョン撮影とハイビジョン編集に重点を置き、次世代メディアを睨んで、すでにハイビジョン体制を組んでいるそうだ。 
 
CD・レコード店、家電量販店、書店、ネット通販など、全国のDVDソフト取扱店で購入できる。
(写真:山野楽器 日本橋三越店にて)


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※この記事は2006年当時のものです。
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