※連載2回までのムーピーには【Creative Cast】のウォーターマークを著作権の関係で入れ込んでいます。また、この処理そのものについては更に高度な調整が可能な複数の設定方法が EDIUS側で用意されていますが、今回ここで紹介する方法は、汎用性も高くもっともシンプルな方法です。大切なのはいきなり難しいことをするのではなく理解することです。これは何もコンピュータグラフィックソフトだけに当てはまることではありません。なお、連載するにあたり、この方法を最初にマスターしなくてはならなかったのはちょっと辛い状態でした。でも1回実行して理解してしまえば処理そのものは実に簡単です。
lesson 3-3
■作品の簡単な種明かし
ここでやっと制作物の種明かしをしてみます。今回作成するのは簡単な『なぞなぞクイズ』的な動画です。ある程度画像を見続けていないと何が映っているのか分からないという映像です。もちろん初めての作品なので稚拙であることは否定しませんが、ダラダラと作り上げるよりは簡単な目的を作っておいた方がよいでしょう。でも、静止画であっても稚拙かどうかはやはり問題ではないと思っています。問題なのは継続することと完結することです。どんなに簡単な作品であっても、完成していれば、未完の大作より優れていると私は思います。もっともこの作品はエクササイズみたいなものですが。ただし、本当はこういったイメージは制作途中の種明かしをしてはいけないんですよね。そういった意味ではちょっと計算違いだったかもしれません。

つまり【movie_08】までの段階でデータはほぼ完成です。あとは前半の映像にちょっとしたアクセントを加えるだけです。そこでここではロゴタイプを取り込むことを想定し、Photoshopで作成したマスク付きのネイティブデータをそのまま EDIUSに読み込んで使用する事にしました。処理的には EDIUS上で文字入力をはした方が色々な処理が行えるために便利ですが、例えば指定のロゴタイフやシグネチャーのようなものを入れなくてはならない場合は、やはりPhotoshopなどの外部のソフトで作成したデータが必要となります。

【図22】

【図23】

【図24】
■外部ソフトでロゴデータを作成するときの注意
ロゴなどのデータの作り方はまず使用サイズの倍のデータを作成することから始めます。今回書き出しているムービーのサイズは320×240ビクセルですので、【図22】のようにその倍の640×480で作成します。これは倍で作成しておくことで細かい部分のジャギーなどを可能な限り軽減するためです。また、この方法は通常の Web画像作成などにも有効な Tipsです。『倍で作成して半分にして使う』を是非実践しましょう。なお、作成する時には次の点に注意して作業を進めてください。

【注意1】表示したい色と同じ色の背景を作成する。
【注意2】アルファチャンネル上にマスキングデータを作成しておきます。
【注意3】データは使用データの倍で作成する。

特に【注意1】はアルファチャンネルを利用してマスキングを行うときにマスキングエッジの誤差が背景の色を読み込んでしまうことを防ぎます。印刷データと比較すると低解像度となるDV編集データ作成ではこの点に注意を払いましょう。さて、EDIUSはPhotoshopのネイティブファイル形式を理解しますので、アルファチャンネルもそのまま活用できます。ですからこれだけ守っていれば後は大丈夫です。ここでは【図23】【図24】のように【White】と【Black】の文字を入れる事にしました。また、作成時の注意事項を厳守し、【White】は文字、背景とも白で作成して言いますが識別しやすいように【図23】は黒で示しています。あとは【図25】のように EDIUSでそのまま読み込んでタイムラインテーブルに配置します。【movie_09】は仮配置でムービー化した状態です。

ここで、【White】と【Black】の表示をフェードイン、フェードアウトで自然な流れにするために【図26】のように表示時間を長く調整しています。【movie_10】はその処理結果です。なお、ここで全体に文字表示が強すぎると判断し、またパンダももう少し曖昧に表示したいので、各の透明度を【図27】のように調整して【movie_11】を得てみました。

このくらいの段階になると連載1回目あたり比較すれば処理作業スピードは劇的に速くなっています。もちろん私の設定処理スピードです。執筆の関係で EDIUSを起動しながらキャプチャ画像を編集するPhotoshopも起動し、更にGoLiveでレイアウトを同時進行していても殆どストレスを感じません。ただし、書き出しはだんだんと時間がかかるようになってきました。これは短いムービーに対してエフェクトを沢山設定しているからです。なお、テキスト処理だけはMacintosh側で行っています。どうしても原稿執筆は画像処理とは別のマシンでないと落ち着きません。Windowsマシンがもう1台あればそれを使いますが、2台所有していないので空いているMacintoshというわけです。

【図25】
movie_09】
【図26】
movie_10】
【図27】
movie_11】

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