従来の Grass Valley HQ Codec の特性をさらに進化させ、真の高画質・高効率性を実現しました。
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Grass Valley HQX Codecは、用途や使用環境などに応じて圧縮率を変更する可変ビットレートを採用し、フレキシブルに活躍できるように設計されています。
変換の際にQとMの2つのパラメータを設定するだけで幅広い用途に対応が可能です。Qの値は、映像データの量子化の程度を指定するもので、最小0から最大18まで設定できます。Qの値が小さければ量子化の程度が小さく、圧縮に伴う映像の劣化が小さくなることを意味します。Mの値は、圧縮後の映像フレームの最大サイズを指定するものです。非圧縮映像のフレームサイズに対する割合をパーセンテージで表します。
HQXはソース映像の内容によって圧縮率を柔軟に変更するので、美しい映像のまま最適なデータサイズに変換することができます。 単調で変化の少ない画像は小さなサイズに、複雑で込み入った画像は圧縮を抑えます。実際の映像には変化の少ないシーンも含まれていることが多いので、非圧縮と見分けのつかない高画質でありながら、データサイズをかなり抑えた映像に変換することも可能です。
図のようにQの値を任意で変更し、思い通りのデータサイズで求める画質にあった映像を手に入れることができます。この特性は極めて重要なもので、他のほとんどのCodecでは実現できません。
リアルタイム処理においてはストレージ速度やネットワーク性能などに限界があるので、データサイズ(データレート)の最大値を規定したい場合があります。そのための設定値がMです。
図はいずれも同じQの値でエンコードされたものですが、Mの値によって、複雑な画像の場合にはサイズが制限され、単調な画像の場合には影響を受けないことがわかります。きめ細かい値を選ぶことができるので、利用できる素材にジャストフィットした編集や記録が可能になります。
4:2:2サンプリングを行い、高い色解像度を実現しています。これはHD D5、HDCAM SRと同等の処理であり、高解像度の画質を維持した圧縮を可能にしています。
可変ビットレートを採用し、4:2:2サンプリングを行えば高画質になるというものではありません。Codecの自社開発を続け、技術を蓄積してきたからこそ、洗練された圧縮アルゴリズムによる高画質を実現できたのです。
フレーム単位で圧縮を行うイントラフレーム方式を採用。正確なフレーム単位の編集を軽快な動作とともに実現します。
10bitのアルファチャンネルに対応しています。Adobe After Effectsや3Dソフトウェアで作成したCGなどをGrass Valley HQX Codecで保存することで、連番静止画でのデータ受け渡しと比較して、工数も時間もファイルサイズも大幅に削減することができます。
下のグラフは、あるソース映像に対してGrass Valley HQX Codecを用いてエンコード・デコードを繰り返し、PSNR(※)の変化を表したものです。
PSNRの低下がきわめて少なく、編集を繰り返しても第1世代の画質をほぼ維持できることがわかります。長年にわたって編集製品と多くのCodecを自社開発してきた蓄積が、このような設計に活かされています。
※エンコード前のソースデータと、それをエンコードしデコードした後のデータとを比較し、画像の劣化度合いを数値化したもの。値が大きいほど画質が良いことを表しています。
デジタル放送への移行、コンテンツ再利用のビジネスモデル確立などにより、HDの導入がいよいよ本格化しようというその頃、HQX Codecの前身であるGrass Valley HQ Codecは開発されました。
データ量が膨大なHD映像を非圧縮のまま扱うには大がかりで高コストなシステムが必要となります。HD普及のためには、放送クオリティを維持しながらデータ量を削減し、かつ編集に適した特性を持つCodecが必要だったのです。Grass Valley HQ Codecはハイビジョン編集システム「HDWS-1000」に搭載され、専用編集ソフト「EDIUS Professional HD」とともに、圧倒的なクオリティとパフォーマンスで大きな反響を巻き起こしました。
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