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トランジションは使いすぎないように
トランジション(ディゾルブ)のイメージ。画面A(最上段)がだんだん透明になっていき、画面B(最下段)に切り替わっていく

トランジションとは、画面の転換時に使われる特殊エフェクトのこと。映画やテレビドラマ、あるいはTVコマーシャルなどの映像を思い出してみてほしい。画面が徐々に透けていき、違う画面に切り替わる(ディゾルブ。オーバーラップとも言う)、映っている画面を押し出すようにして違う画面がフレームインして来る(ワイプ)など、いろいろなトランジションが使われていることに気づくだろう。トランジションは、より印象的な映像を作り出す上で欠かすことのできないテクニックのひとつなのだ。

しかし、トランジションを使う上で気をつけたいことがひとつ。それは、決してトランジションを使いすぎてはいけないということだ。トランジションは印象的な映像を作り出すためのテクニックではあるが、多用しすぎると、より強調したい場面の印象が逆に弱まってしまう恐れがある。第二回の「タイムライン編集」でも説明したが、ビデオ編集の基本はカット編集、つまりカット同士をつなぎ合わせることにある。映画やテレビドラマなどをじっくり観察すると、ほとんどのシーンがカット編集だけでつながれており、ここ一番という場面でトランジションが使われていることがわかるだろう。仮に、すべての場面がトランジションでつながっているとしたら、散漫な印象を与える映像になってしまうことは間違いない。

TVコマーシャルなどの尺の短い映像に関しては、「トランジションを使いすぎてはいけない」という原則は必ずしも当てはまらない。尺が短いだけに使用されるカット数も少ないため、すべての場面転換にトランジションを使ったとしても逆効果にはならず、逆に強い印象を与えることもある。第4回で説明する予定の「エフェクト」に関しても同じことが言えるのだが、要するに、トランジションは使いどころを見極めた上で使うべきなのだ。ラッシュを作った段階で映像を何度も見直したと思うが、印象的に仕上げたいところや、どうしても場面同士のつながりが悪いところなど、ここぞ!という箇所だけに使うように心がけよう。

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