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クロマキーとルミナンスキー
クロマキーもルミナンスキーも、Effectパレットに用意されている。下位のVAトラック(またはVトラック)に配置したクリップにドラッグして設定する
クロマキーのイメージ。田園風景に雲の映像を合成する。空の青色が比較的均一なので、ほぼきれいに青色が抜けているのがわかる
Informationパレットで「クロマキー」をダブルクリックすると、詳細を設定できるダイアログが表示される
ルミナンスキーのイメージ。同じく田園風景に花の映像を合成。暗い部分が抜けるように設定してみた

いきなりなじみのない言葉が出てきてとまどうかもしれないが、「キー」「キーイング」という言葉は映像合成においてマストな用語なので、この機会におさえておきたい。こちらは、ピクチャーインピクチャーとは異なり、同じサイズ(画角)の映像を2つ(あるいはそれ以上)重ねて、上に乗せた映像の一部に透過処理を行うことでベースになる映像も見せるという合成のことを指す。この際の透過処理を、「クロマキー」「ルミナンスキー」の2つに大別する。

「クロマキー」とは、映像内の特定の色を透過させる手法で、一昔前の特撮映像などをイメージすればわかりやすいだろう。例えば、ロール(横揺れと思ってほしい)しながら大空を飛ぶ戦闘機をアップで捉える…というシーンを作る場合、実際に高速で飛んでいる戦闘機を撮影するのではなく、空のカットと戦闘機(の模型)のアップを別々に撮影しておき、後で合成するという手法が使われている。戦闘機のアップを撮影する際に、背景が単一の色になるようにしておき、合成の際にその色を透過させてやれば、あたかも実際に戦闘機が大空を飛んでいるような迫力のあるシーンが完成する。「ブルーバック」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これはまさにクロマキーに使われる背景のことで、全面的に均一な青色の背景(多くの場合、布やホリゾントが使われる)の前で対象を撮影し、合成の際に映像の中のブルーの部分を透過させるという風に使われる。多くの場合、クロマキーのキーにはブルーやグリーンが使われる。

ただし、バックの色が完全に均一な色になっていないと、ブルーの部分が一部残ってしまったりなど透過処理がうまくいかない場合が多い。この場合は、撮影した映像をエフェクト処理するなどして、合成がよりキレイにできるように時間をかけて処理を行うことが必要になる。そうならないためには、照明の当て方を工夫するなど、編集・合成だけでなく撮影のテクニックも必要になってくる。トライ&エラーでいろいろな方法を試してみてほしい。

一方の「ルミナンスキー」は、映像内の特定の輝度を持つ箇所を透過させる方法。クロマキーが完全に均一な色の背景を必要とするのに対して、ルミナンスキーは透過させる部分を明るさで選択できるので、こちらの方が使い勝手がよいケースも多い。EDIUS 3 for HDVでは、どちらのキー合成も、「Effectパレット」の「キーフォルダ」から該当のエフェクトを選択して、タイムライン上のクリップにドラッグするだけで設定することができる。その後、「Informationパレット」上に表示される合成キーの名前をダブルクリックすると表示されるダイアログで、詳細を設定することができる。

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