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ピクチャーインピクチャー
EDIUS 3 for HDVでもっとも頻繁に使う「映像の合成」は「ピクチャーインピクチャー」ではないだろうか。いわゆる「子画面」を表示させる合成方法のことで、バラエティ番組などで使われることが多い。Adobe Photoshopなどを使ったことのあるユーザーには、「レイヤーを使った画像の合成」と言った方がイメージしやすいだろう。既存の映像編集ソフトのほとんどがこの機能を持っているが(呼び名はソフトによってまちまちだが)、使い勝手の面ではEDIUS 3 for HDVに一日の長がある。子画面に動きを与える設定や、サイズの調整なども実に簡単で、ストレスなしに設定を行うことができる。

ピクチャーインピクチャーを使用する際にもっとも注意したいのが、「セーフティゾーン」だ。できあがった作品をパソコン上で再生する場合にはあまり意識しなくてもよいのだが、最終的にDVDやVHSに書き出した作品をテレビモニタ上で再生する場合には注意が必要だ。テレビモニタでは映像の上下左右端の一部がモニタ上に映らないことがある。特に、ブラウン管のテレビモニタの場合にこの現象が起こりやすい。モニタによって個体差があるのだが、確実にモニタ映る範囲は映像の中心から90%くらいだと考えればよいだろう(上下左右端の10〜15%程度はモニタに映らない可能性がある)。この、確実に“映る”範囲が「セーフティゾーン」と呼ばれるものだ。

例えば、1080i(1440×1080ピクセル)のHDVで映像を作っていて、子画面をその50%のサイズ(720×540ピクセル)で画面左下に表示させたいという場合、子画面の左上端の位置を「左(L):0、上(T):540」に設定してしまうと、テレビモニタ上では子画面の左端と下端が切れてしまう可能性が高い。少し余裕を持って、子画面のサイズを710×530ピクセル、子画面の左上端の位置を「左(L):100、上(T):100」くらいに設定するとよいだろう。セーフティゾーンの範囲は、ピクチャーインピクチャーの設定ダイアログ上でグラフィカルに確認することができるので、設定の際に参考にするとよいだろう。

ピクチャーインピクチャーを設定するには、Effectパレットの「キー」から「ピクチャーインピクチャー」を選んで、子画面にしたい映像トラックにドラッグ&ドロップするだけでOK。ただし、子画面にしたいクリップは下地にするクリップより下位のトラックに配置する(※)こと
 
ピクチャーインピクチャーを設定したクリップを選択した状態で、Informationパレットで「ピクチャーインピクチャー」をダブルクリックすると、設定ダイアログが表示される。ピクチャーインピクチャーの詳細な設定はここで行う
 
ピクチャーインピクチャーの設定ダイアログ。上部の確認ウインドウの中で、画面の一回り小さいグレーの線がセーフティゾーン(ちなみにグレーの十字線で画面の中心がわかるようになっている)


※ EDIUS 3 for HDVでは、VAトラック(ビデオ+オーディオ)、Vトラック(ビデオ)、Aトラック(オーディオ)、Tトラック(タイトル)のすべてにおいて、基本となる一番目のトラック(1VAトラック、1Aトラック、1Tトラック…)が“最上位”のトラックになる。後から追加するトラック(2VAトラック、3VAトラック、…)は、頭の数字が大きくなるほど“下位”のトラックと考えられる。

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